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第22話
あのこと、ちゃんと言わなきゃ。
今なら……
「あ、あのさ昂平!」
「ん?」
なんて言おう、えっと、えっと――
「――俺、あの、まだ童貞だから!」
あうっ。
「……………は?」
何暴露してんだよ俺――!!!
ボンッて音が聞こえるくらい、急激に赤くなったと思う。夜だからバレないと思うけど!
ああ、マジで何盛大なカミングアウトしてんだ俺!昂平を見てたらドキドキして混乱して、つい言わなくてもいいこと言っちまったよ!!
でももういいや、言うこと言っちまおう、ヤケクソだ!
「だだだからぁ、俺がいつも作倉先輩たちに言ってる武勇伝は全部嘘なんだよ!!ただの見栄!!つか女と遊ぶ時間とか日本一忙しい高校生の俺にあるわけねぇだろ!けど進藤に舐められるのは嫌だし!」
「お、おう」
「でも、昂平にはそんな見栄はる必要なんてねぇし!だから、俺のこと遊んでるって思……っ、!?」
なぜか俺は、いきなり昂平に抱きしめられていた。
「な、な、な、」
今度はプシューって音が聞こえてきそうだ。ちなみに顔から湯気が出る効果音な。
「ごめんな理音。その、分かってたから。昼間は意地悪なこと言って本当にごめん」
「……!」
分かってたって……誤解はしてなかったってことか?
「あ、悪い」
いきなり体を離されて、俺も我に返った。
でも、色々とキャパオーバーで何も言葉にすることができない。
そんな俺を無視して、昂平は続けた。
「分かってたっていうか……小野先生と話して気付いたんだけどな」
「そっ、それより、なんでいま抱きしめた!?」
「いや、つい。ここで抱きしめないと男じゃないかなと」
「はあぁ!?」
何言ってんだよこいつは!!
「お前が悪い」
「なんでだよ !?」
昂平の野郎、意味わかんねぇ!でも抱きしめられて嬉しい俺もヤバい!!
顔がにやけてしまわないように、盛大に怒ってるフリをした。
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