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第24話

* やばい。 非常にやばい。 「抱きしめてしまった……」  顔を真っ赤にしながら俺に『遊んでない』と主張する理音が可愛くて、つい勝手に身体が動いてしまった。なんてのはただの言い訳だ。  ベッドにぼふっと横になり、抱き枕を抱きしめて悶えた。理音ならともかく、俺がこんなことをしても可愛くないのは重々承知しているが、先ほどの理音の顔や行動を思い出すとゴロゴロせざるを得ない。  それにしても、『童貞だから』には驚いた。誰彼かまわず遊んではいなくとも、モデル女に食われてとっくに卒業してるものだと思ってたから。  なんで俺は、俺の可愛い理音がヤリチンなどと一瞬でも思ったんだろうか。その思考回路に激しく後悔した。 「はぁ、マジで理音可愛すぎだろ…」  ぼそりと一人言を言う。声に出すと少しだけ気持ちが落ち着いた。 何故か今夜の理音は素直だった。頭に手を乗せてもいつもみたいにのけられなかったし、抱きしめても自分からは離れなかった。  俺があのまま離さなかったらどうしていただろうか。もしかして、委ねてくれたんじゃないだろうか、と自分に都合のいい妄想ばかりしてしまう。 「そんなわけないか……」  俺が手を離すタイミングが数秒早かっただけだろう。 それでも、すぐに嫌がられなかった事実は一応、いい意味で受け止めたい。 俺が理音に依存してるみたいに、理音も俺に少しは依存してくれているのだと。 「でも、それならモデルなんてやらないよな」  何で理音はモデルなんてやり始めたんだろうか。俺から離れて、俺には全然入り込めない世界。興味本位だけで始めたと言ってたが、理由は他にもありそうな気がする。 理音の小学生のときの将来の夢は勇者、とか王様、とかアホみたいなものばかりだった。ちなみに俺は一貫して「警察官」だ。 昔から偶像的な存在になりたかったのか?うーん。  まぁ理音ならモデルじゃなくて某アイドル事務所にも入れただろうな。母さんたちがうっかり応募しなくてよかったと心から思う。(彼らのほとんどは身内からの応募だと噂に聞いたことがある)  ふいに目の端に映った、理音が載っている雑誌をベッドの下から拾いあげ、ページを指先でめくる。俺の知らない理音が、いつもそこにいる。 「……………」 なんで白シャツ一枚なんだ。脚とかうなじが丸見えだろうが。 そんな、男を誘うような目をして…… レンズを通して、お前は一体何を見てるんだ? 「理音……」  俺の手は、無意識にスウェットの中へと導かれていた。 理音、いやRIONの姿を見て既に半勃ちしているソレに手を添えて、上下にしごき始める 「理音……っ理音、」 凶暴な俺の先端からは、どんどん先走りが溢れてくる。ぐっちゃぐっちゃと卑猥な音を立てながら、更に強い刺激を加えた。 「理音、はぁッ、理音ッ好きだ……!」 手は止まらない。 幼馴染みの男で毎晩こんなことを繰り返す俺は、 「理音ッ!」 相当な変態だ。 「はあ、はあ、ティッシュ……」 思い切り吐きだしたソレは、雑誌の中で妖しく微笑むRIONをピンポイントで白く汚した。 本物の理音を俺の精液で汚すのを想像して、あやうくまた勃起しかけたが、雑誌を汚してしまった事実に少し冷静になった。 「また、新しいの買わないと」 色んな憂鬱が重なって、俺は深くて重い溜め息をついた。

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