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第73話

* 理音は本当に脱ぐ仕事は全部断って、ファッションモデルだけに専念することにしたらしい。なので仕事の時間は少し減って、放課後の部活にも前より参加するようになった。 勿論、朝練にも。 でも、今度は部活で疲れて帰るから、朝なかなか起きれない癖は直っていない。俺は起こす楽しみがあるからその方がいいけど。 変わったことといえば。 もう理音は俺が勝手に部屋に入っても、ひどくテンパることはなくなった。それどころか、寝ぼけて(わざとか?)ベッドに引っ張りこんだり、キスしてきたり……正直、色々と朝からヤバい。毎朝理性と戦っている俺、えらい。 そして今は朝練中だ。 「昂平、サーブ練やろうぜ!」 「おう」 好きだって伝えてから、ますます理音が可愛く見えて困る。バレー部のジャージを来てる理音でさえ可愛く見えるって、俺、相当重症だ。 「昂平、あぶない!」 「え?」 ふと、顔をあげた。 次の瞬間に聞こえた、ものすごい音。 ドゴッ!!!! 「ぎゃあああーッ昂平ーッ!!!」 それは、俺の顔面に、理音のジャンプサーブが綺麗にヒットした音だった。

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