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#スイーツ男子の失恋はラムレーズンの熟した悲観と未来への調和⑭
抑えきれず声が大きくなって本題を伝えたいつみは、興奮が隠せない様子だ。ただそれ以上に驚いたのは暖本人であってすぐに声が出ないで頭の中の整理に時間がかかる。
「ねえ暖、聞いてるっ!?」
『え、あ、うん。聞こえてるけど、、』
「言いたいこと山ほどありすぎるけど、とりあえず何も知らないみたいだから今写真送るからすぐ見てっ」
『写真?、、わかった』
耳からゆっくりとスマホを下ろし画面を見る。送られてきた"画像が送信されました"のメッセージをタップすると表示された一つの写真。
見覚えのあるお店の前に立つ自身の姿と大我が写っている。写っているお店は夜のお店の雰囲気を分かりやすく醸 し出している。そこは記憶にまだはっきり残っている、あの日行ったホストクラブZeal Nineだ。
そこにマスクなんてしていない顔を曝 け出した暖の顔がはっきり写っていた。
少し離れた場所から撮影したと思われるが、拡大された顔がバッチリ鮮明に写されている。
『えっ、この写真どうして…』
「それにSNSにはこの写真以外にも名前フルネームと学校名まで書かれてんの」
『誰がそんな事っ?』
「私だって分かんないよ!、、そもそも観てた配信の本人がまさか暖だったなんて私が一番驚いてるんだから!」
『そ、そうだよね、、それは本当にごめん、、色々事情があってー…その、、』
「いいわ!とりあえずこんな状況じゃ学校にも顔出せないだろうし今日一緒にサボり!今から駅前の公園に集合ね、いい!?」
『うん……公園分かった』
力なく電話を切った。誰が何の為に?どうして顔も名前も学校名も知っているのか。単純に考えると自分の事を良く知っていてさらに配信していることも知っている人物。
だけどNATSUとして配信していることを誰にも話してはいないし、気づかれていないはずなのに。
『あっ、とりあえず大我に言わなきゃ!』
すぐに大我に電話をかけるが繋がらない。SNSを見ていたらきっと気付いて連絡してくるはずがまだ無いところをみるとまだ気付いていないのか。
どうしよう、、誰かに相談しなくてはと頭に浮かんだのは明希の顔。いつもなら何か困った時は真っ先に明希に相談していたから。
だけど今は状況が違う。そんな明希も秘密にして今まで隠してきたのにこんな時にだけ都合よく相談なんてできるはずもない。いつみにだって、配信を見ている視聴者だと言うのを知っていながら自分は知らない関係ないふりをした。
きっと天罰が下ったんだと。調子に乗って人気配信者の仲間入りでもしたと勘違いして、天がひっくり返っても起こらないと思った大我と"本物の恋人"になった事。
公園に着くとスマホ片手にブランコにゆらゆら揺られている、いつみを発見した。やはり人目が気になり周りをきょろきょろ見渡して確認したが、公園には他に誰もいないようで安心した。
『いつみ、、ごめん、お待たせ』
横から近づき声をかけるとスマホを手にし俯いてあの写真をじっと見つめている。暖の気配に気づいて声も聞こえているはずなのに顔あげようとはしないで、ゆらゆら揺れたまま黙っている姿は見るからにきっと相当怒っているに違いない。
「あ、えっとー、、いつみ?」
「…まさか暖がNATSUだったなんて、、ね」
『あのっ、いやそれに関しては何て言うか、、そう!全部僕のせいで!黙っててほんとに申し訳なー…』
「暖!!!あんた超最高じゃん!!」
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