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再びの夫婦─檻─ 12

お祝いを見せしめと言い換えても尚、ぴんと来てない葵人を再び抱きかかえたかと思うと、「見せつけようね」と言って、ナカに碧人のを挿入()れられたまま、兄に背を向ける形にされる。 その時に、ごりっという音と連続で達しられたのもあり、また軽く達してしまい、身体がビクビクしていた。 冷めない熱を吐きながら、「来客が入られます」と使用人が告げるのを遠くで聞きながら、ぼんやりと檻を見つめていた。 そんな兄弟の前に現れた来客を見た時、葵人は「あ……」と吐息のような呟きをした。 葵人よりかは歳上であった女性。そう、彼女はよく葵人の身の回りの世話をしてくれていたうちの一人だ。 桜屋敷家の者達は皆、男であるからここではない。が、だとしたら、どこの家の使用人であったか……。 とにかく、世話をしてくれている際の彼女は、いつも笑顔を絶やさずに優しく接してくれていたはずだ。それなのに今は、穢らわしいものでも見たとも言いたげに、露骨に嫌そうに顔を歪めていたのだ。 そんなへの字に曲げていた口が開かれる。 「あの家より給料が弾むからと、探りをしながら、葵人様の世話を務めてましたが、本当に男なのに、生理が来るなんてね。きっしょく悪いったらありゃしない」 ズキリ。 吐き捨てられた心ない言葉に、胸が酷く痛んだ。 思わず胸をさすりたい程であったが、いかんせん、手は届かないため、自ら慰めも出来ない。ところが、今の葵人にとっては、それも悦びに変わってしまい、「ふふ……」と、熱っぽく笑った。 「そうだねっ! 男が生理があるだなんて、気色悪いよね! でも、僕は女でもあるから、おかしくないのっ。今もほら! 実の兄と夫婦になったから、赤ちゃん作るために勤しんでいるんだよ! だから、もっと(祝って)んで!」 自ら腰を振りながら、手を限界まで上げ、刺激する葵人に、見るからに引いているのが分かった。 ああ、(祝って)んでくれている。こんなに嬉しいことはない。 「はぁ……碧人さん……。祝ってくれているよ……」 「良かったね、葵」 「うん──」 「──祝っているわけがないでしょっ!」 突如として声を上げた元世話役が、ガっと、檻を掴んだ。 「何がどうしてそうなるのよっ! 動物みたいに発情期があるのも気持ち悪いし、その時のアンタって、そこまで変態になるのね。けだもの以下だわ!」 「けだもの、以下……っ、んぅっ!」

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