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懐妊 6

共に持ってきたタライに、含んだ水を戻すと、水分補給ねと言って、また口元に寄せてきた時に、わざと零してやろうと、自由な指先でペットボトルを突っつき、見事碧人の手元が狂い、水の入ったペットボトルは、葵人の浴衣を濡らしていった。 「葵、そんなにも喉が渇いていたの……?」 「そう、なの……っ、ねぇ、碧人さん……。僕、悪い子……?」 「そうだね……」 手早く手首の縄を解いた碧人は、一拍置いた後、浴衣の帯を解きながら言った。 「甘い声でねだってくる、可愛いいたずらだなって」 まるで猫みたいだね、と頭を撫でてきて、襟元を脱がしている碧人に、一気に機嫌が悪くなった葵人は、「やだっ!」と大声を上げた。 「ねぇっ! 僕は悪いことをしたんだよ! 一生償いきれない罪を犯しているのに、その上に、さらに罪を犯したんだよっ! そんな悪い子な僕をお仕置きしてよっ!」 頭がふらつく。視界がぐらつく。それでも必死になって、碧人の腕辺りを掴んで、自分が悪い子だと主張してみせた。 こう真正面に言ったのだから、碧人はしてきた罰のお仕置きをしてくれるはず。 だから。 「……葵。着替えた後やってあげるから、待ってて」 呆れているような声に聞こえ、その声にぞくぞくとした、身体が粟立つような感覚が駆け巡っていくのを感じ、葵人はたまらず嬉しい笑みを浮かべた。 「うんっ!」 手を離し、濡れた浴衣を脱がした碧人が、ついでに汗ばんだ身体を拭き取ってくれ、その際に、妊娠でさらに敏感となった乳首が当たり、小さく嬌声を漏らしてしまったりして、前戯のようだと思いつつ、新しい浴衣に袖を通し、しかし、帯をしてくれなく、前開きとなったまま、「両手を合わせて出して」と言われるがままにそうし、再びさっきと同じような縛り方となった。 そして、ふっと笑った碧人は、頭を撫でた後、言った。 「お仕置き」 ゾゾッと身体を震わせ、まだ昇りつめていないのに、思わず恍惚な笑みをさせていると、「……変態」と耳元に囁かれ、「ふ、ん……っ」と声を漏らす。 碧人は、頬を撫でながら唇を啄むようなキスをし、そして、乳首を強く吸い上げる。 「んッ! ふぁっ!」 常に過敏となっている部分に、それはあまりにも強い刺激で、甲高い声を上げてしまい、かっと顔が熱くなる。 でも、この感じがたまらない。 甘い息を吐きながら、構わず乳首を責めてくるものだから、嬌声を上げ続けていった。 気持ちいい……。こんなにも気持ちよくなってしまったら、愛液がどんどん出てきて、零れて、布団を汚してしまう。 ああ、また悪い子になってしまう……。 また罰を受ける理由が出来ると、どんなお仕置きがされるのだろうと想像を巡らせていると、空いていた手が不要となった玉袋を弄んできたのだ。

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