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第1話

俺は児童養護施設にいる鈴川叶斗だ。もうかれこれここでの生活は10年になる。俺は6歳の頃親が借金返済できず自殺しここに入った。施設での生活は、安心して寝れて、ご飯もちゃんと食べれるから悪い生活では無い。しかし俺はこの場所の空気が好きじゃない。家族でもない、知り合いでもないやつを家族だとふざけている。俺は里親が見つからず、ずっとここにいる。里親なんてものも信用できない。いつ捨てられるか分からない。しかも俺はずっとけんかをし、酒なんかにも手をだし、謂わゆるヤンキーという部類だ。そんなある日ここでは半年に1回の里親を見つける会が開かれていた。俺はもちろん参加する訳もなく遊んで帰ってきた その時 「君の里親になることは可能ですか?」 「えっ俺すか?」 誰だこいつ。メガネなんかかけてて、顔は、、結構と言うか、かなりいけてる。こんなやつ知らないはずだ。正直困惑した。俺はもう高一だ。しかも見た目も素行も褒められたもんなじゃない。 「今の生活に不満を抱いていませんか?」 「そのうえであなたはホントは今の自分から変わりたいと思っている」 俺は正直焦った。こいつの間違っていなかったからだ。俺だって本当はこんなことしたくなかった。不良になんてなりたくなかったのだ。親がいないからといじめを受け、やり返すと決め、喧嘩をしていたらいつのまにかこんなことになっていた。 しかもこの時一番きて欲しくなかった施設の所長がきた。俺はこいつに嫌われているんだ。 「こいつはずっと里親見つからずここにいます。ぜひ引き取ってあげてください。」 そりゃこいつらも俺みたいな不良はいらないだろう。 この間に話はどんどん進み、2人に半端強引に里親として引き取られることになった。荷物をまとめろと言われたが、俺は持って行くものなんてほとんどなく、すぐに準備できた。そうして施設の奴らに送られて俺はついに施設をでた。車に乗ると運転手とやらがいて驚いた。こいつの専属ドライバーで一応社長らしい。そして俺は色々と情報を聞き出された。年齢、誕生日、趣味、なぜ施設にいたのかなど聞かれたが俺は適当に答えていた。だが俺は気になっていた。俺みたいなやつを拾って何がいいのか。なんのメリットもないのに素行も良くない上に顔も別に普通だ。質問が少し落ち着いたとこで俺は聞いた。 「なぁあんた、なんで俺なんか拾ったんだ?」 「なんででしょうねぇ。一目惚れでしょうか?あなたのその可愛い顔に。 あとあんたはやめてください。私は清美京です。京とでも清美でも好きに読んでくれればいいです。」 そんなことを話していると清美の家に着いた。これがタワマンと言いたいほどのでかいタワーマンションが清美の家だった。ここ全てが清美のマンションで住んでいるのは最上階らしい。この時点で俺はこれが世界の不平等さかと心の底から思った。 「さぁぼーっとしてないで行きますよ。」 俺はとりあえず清美のあとを追いかけた。 家に入り、デカさ諸々に驚いたのはもはや言うまでもない。 「叶斗でしたね。今からこの家で暮らすにあたって大事なルールを説明します。 1、嘘はつかない 2、学校にちゃんと行く 3、門限を守る 4、どこか行く時は護衛をつける 5、私の言うことをきちんと聞く 出来なかった場合お仕置きです。 分かっていると思いますが喧嘩などもお仕置きとなります。まぁこんなところですかね。 あとは自由にしてもらって結構です。門限は守ってくださいね。門限はそうですね、11時としましょうか。護衛の紹介は明日にでもしますね。なにか質問などが有ればいつでもおっしゃってくださいね」 と感情が読めない笑顔で言われた。 護衛をつけるとか、お仕置きとはなにか聞きたいことがたくさんあったがここで聞く勇気はなく結局なにも聞けず終わった。 そうしてここでの生活は、始まった。

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