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第439話 ため息
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一方その頃の宮ノ内家。
「大分落ち着いてきたみたい。ちょっとお腹出て来たかしら?」
「……まぁ、少しは?」
「安定したし、落ち着いてきたって先生が言ってたから、もう椿さん、詩くんに報告してもいいわよ?」
「うん」
「にしても殆どつわりもないって驚きよね。なんでも食べれるからそれが怖いわ~。食べ過ぎ注意ですって。高齢だから無理はするなって言われてるけど、でもねぇ~私やること沢山あるのよね」
「……まぁ、年だからそれは気を付けた方がいいだろ。過激な生活止めろよ」
「まだ若いと思ってるんだけどね。それ言ったら先生に怒られたわよ。残業やめなさい!ってすっぱく色々忠告されたわよ。仕事も余裕を持ってやりなさい!むしろ辞めろって。え、私仕事取られたら生きていけないんだけど。あ、でも私の事は気にしなくていいからね~。汐里いるから心配しないで~」
「父親なんだから面倒見るの当たり前だろ。あいつまだ今のマンションからの引っ越し決まらないのかよ?」
「仕事が立て込んでてその余裕は今ないって。それよりもあんたさぁ……まだ詩くんに言ってないの?」
「……」
「早めに言っておかないと怒られるんじゃないの?あんたの留学の話」
「……あいつ今テスト期間中だから、それが終わったら言うつもり」
「ふーん、もう前から考えて資金稼ぎにバイトもしてるのに、その話を恋人に伝えてないってどうなのよ?詩くんだって子供じゃないんだからさ」
「うるさいな」
「はいはい。じゃ、その時に自分がお兄ちゃんになるZE!って話もしておいてくれる?言いたいでしょ~?詩くん絶対驚くわよ」
「……」
「……ちゃんと、ちゃんと説明してあげなさいよ」
「わかってるよ」
「……」
「……」
「……次は」
「……」
「……次は、やっぱり女の子がいいわ!」
「………………」
「詩くんみたいなクリっとした目の可愛い女の子がいいわぁ~。私も汐里パパもキリリお目目だから可能性は低いけど、奇跡は起こるかもしれない!そんな女の子ならさぞ可愛らしいでしょうね~!ピンク……いやライラック色のお洋服がいいかしら。今は昔と違ってベビーグッズも色んなのがあるんでしょうね~!あ、今度デパート見に行ってこようかしら!」
「…………はぁぁぁ……」
静かにため息をつく、宮ノ内霧緒であった。
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