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第441話
なっち
俺もゆっぺと抱き合いてぇ~って単純に思うだけなんだけどさ!って、俺のことはいいんだけど、えーと何の話してたっけ?
ああ、そう!
萩生こと!
はっきり言って俺は、萩生と宮ノ内先輩はつき合っていると思っている。
恋人同士だってことだ。
確かめたことはないし、ただの直感だけど当たってると思う。
俺は宮ノ内先輩のことは、遠くから眺めるくらいだから実際どんな人か知らないし、話したことも一度とかだけど、あの先輩にとって萩生はかなり特別な存在なのではと思った。
先輩が萩生を見るときのあの優しい目……あれってかなり気を許してる目線でエッロ!!って心の中で叫んだわけさ。だって先輩ってスゲー冷たいイメージがあるから。
この考えは、ゆっぺには言ってない。
二人の関係はマジなのかも……マジならネタすべきではないし、それを気軽に口にしていいわけない。
先輩はもちろん萩生だって周囲に言わないその秘密は、俺が気がついたとしても絶対な秘密なんだ。
もしかしたら屋内は知っているかも知れないけど、俺は完全傍観者でいようって思った。それに後学の参考にさせてもらおうという下心もあった。
でもあの時感じた直感は、最近核心に変わってきている。
結論からいうと、萩生の首筋にキスマークついてますっ!これ定期的でーすっ!はい終わり!!
萩生は気がついてないと思うけど、襟に隠れるか?の際どい場所についてるんですよ!
君、つけられてますよーーー!
でなっ!
そういう時に何気なーーく萩生に、「お前休み何してたー?」って聞くと、「……霧緒と一緒にだらだらテレビ見てたわ~」とか「一緒に出掛けてたわ~っ」て答えが返ってくるから、はい一緒にいる!呼び捨て!確実決定エロいことしてんじゃん!ってなるだろ!
それ言う時、萩生の目が一瞬およよって泳ぐからわかりやすい!
キスマークつけとくって……どれだけ執着?牽制?つか……あの先輩がだぜ?これをワザとつけてたら超おっかないって。
……気軽に萩生の事を詩って呼び捨てできねーわ。
だって俺、宮ノ内先輩に嫌われたくないし、敵だと思われたくないから!
一応憧れの先輩なんでね!
それにもし俺が先輩の立場だったら、俺も同じことをするだろうって共感もあったりさ。
俺もゆっぺにキスマークつけたいわー!
こいつは俺のだって見せびらかしたいわー!
萩生もそうだけど、ゆっぺも鈍感そうだから下心ある奴が近づいてきても、すぐに回避できそうにないし、いつも近くにいれなくなってしまったらさぞかし心配だろうなって。
……先輩……先輩の気持ちマジわかるっす。
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