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第27話

恥ずかしくて恥ずかしくてやっぱり恥ずかしいけど! あんなことする先輩に対する怒りもあって… 「ああいうことは!…彼女…としてください!」 とコーヒーを入れてる先輩に抗議した。 「え、ああいうことって?」 「!」 にやにやしながら笑う先輩はやっぱりカッコいいんだけど、負けてられない。 「キスとか…です!」 「ふーん?キスね…」 うぎゃー!!! 余裕なその態度むかつく!! 抜いてもらったことは生理現象ということにしといて勝手に脳内処理させてもらった。 あ、あれはなかったことにしよう。うんうん。 目の前にリクエスト通りのカフェオレが置かれる。 「どうぞ」 「あ、ありがとうございます」 あー美味しい。 甘めのカフェオレに癒される。 「つか、俺彼女いないけど」 「…」 「ちなみに彼氏もいないけど?」 「っぶ!」 噴いたカフェオレを先輩が綺麗に拭く。 「…体育館の裏でイチャイチャしてたじゃないですか彼女とー」 「??」 「…ええと昨日のことだけど覚えてます?」 宮ノ内先輩は本当に覚えてない感じで暫く考えていたみたいだけど、 「…あー緑川?」 ドキン なぜかその個人名に心がちくっとした。 「つき合うとか彼女だとかそういう関係じゃないよ。向こうはその気だったかもしれないけど」 そうなの? 「束縛されるの嫌だし。もう呼び出すのやめてって言ったら切れてた」 あははって悪気のない笑顔で喋ってるけど!やっぱり先輩は噂通りの感じなんだ。 俺に対してしたことも何とも思ってないんだろうな。 キスとか…誰にでもできちゃうのかな?先輩くらいカッコいいとさ。 ばあちゃんが帰ってくるまでの間は先輩の家を掃除しまくって過ごした。 もともと綺麗なんだけど、簡単に掃除機かけたり空気の入れ替えをしたり。 先輩はいいよって言ってたけど何となくだらだらできなくて動いていたい気分だった。 お世話になっちゃったし。 これくらいはしないと! そして丁寧に挨拶をして自宅に戻った。 ちなみに鍵はどこにあったかというと、 拾得物として、職員室に保管されていました。

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