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第87話

玲二 「おい玲二」 呼ばれて振り替えってみると、そこに知った顔があった。 うわ!なんでここにいんだよ。 「へー!玲二ずいぶん楽しそうじゃん?」 「……何やってんだよ」 ニヤニヤと笑うこいつは、年下のクセに僕より背が高い。 逢沢先輩は誰?って感じでこいつを見てる。 「あ、先輩こいつは……」 「どうも~!俺、玲二と仲良くさせてもらってまーす!俺たち、一緒に寝てる仲だよね~玲二?ねぇ……今夜は……どうしようか?」 そう言われながら、むぎゅっと抱きしめられてしまった。 「!」 「!ちょ!お前!?何言って!」 「相変わらず可愛いなぁ~玲二は。今夜もしちゃう?あ、スミマセーン!俺達これから二人で用事あるんで、ここで失礼しまーす」 強引に腕を引っ張られ、逢沢先輩にきちんと挨拶出来なかった。 呆然と立ち尽くす、逢沢先輩が遠ざかっていく。 先輩ごめんなさい! て、おい!こいついい加減にしろっ! バコ!! 思い切り、足蹴りしてやった。 「いってー!」 「類っ!お前…何やってんだ!!」 ニヤニヤしたこいつは屋内類(やない るい) 現在中学三年で僕の弟。 見た目も言葉遣いもだらしない弟なんだけど、音楽のセンスだけはずば抜けていい。 で、男が好き。 そのせいか、いちいち僕の交友関係の男子を値踏みしやがる。 詩に会わせたくないランキング第一位の男だ!! 「何って~兄ちゃんと一緒に帰ろうとしただけだけど?」 「へらへら笑って、逢沢先輩に失礼な態度とりやがって!」 「あ、あいざわ?へ~菊池先輩じゃかなったのか。てっきり噂の菊池先輩かと。聞いてたイメージよりクオリティ低っ!って思っちゃった。なんだよ他人かよ」 「菊池先輩じゃねーよ!つか今メチャメチャ誤解されただろ!」 「あっはは!あいつ凄い顔してたな!やっべぇ!嫉妬されちゃってるかも俺!」 「嫉妬ってなんだよ…大体僕が中学入ってからは部屋別々だし、もう一緒になんか寝てないだろ」 「兄ちゃん相変わらず鈍いな阿保か?まあ、あいつは駄目だ、やめとけ」 「あ、阿保はお前だ!!あー今度逢沢先輩に謝らないと」

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