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第132話

モブ 予備校で俺は今日も宮ノ内との会話を楽しむ。 って、俺が殆ど声かけてばかりなんだけど。 彼の体調が回復してからというもの、元気になった宮ノ内は、男の俺が勘違いしてしまうほど色っぽさが増していた。 講義中チラ見して眺める横顔は、整っていてつい見とれてしまう。 考えるときに顎を触るしぐさがエロくて集中できなくなる。 俺は何しにここに来てんだ、くそ…… 「お前さ……俺に気があんの」 「!!」 ぼーっとしてた俺の耳元で急に囁かれた。 目の前に宮ノ内の顔があってドキッとする。 睫毛が……長い…… 「え」 「お前、ずっと俺の事見てるだろ?」 「あ、いや悪い。綺麗な顔だからつい」 流し目してくる宮ノ内の視線が直視できなくてそらしてしまった。 ヤベ……ドキドキしてる自分がいる。 「お前さぁ、好きなやつとかいないの?彼女とか」 「あ……い、いないけど」 「ふーん」 「……」 「あのさぁ俺、彼女も彼氏も募集してないから」 「!」 「俺、恋人いるし」 こんなカッコいい男に恋人がいないはずないってわかっていたことなのに、俺はすぐ隣で囁やいたその本人を直視することができなかった。 思ったより傷ついている自分がいたからだ。

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