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第331話
菊池
萩生に、宮ノ内の質問をしたら質問で返された。
宮ノ内の使ってるシャンプーが知りたかったのに、気がついたら自分が使っているシャンプーを萩生に力説していた。
髪型変えたの速攻で気がついてくれたんだけど!
スマホのホーム画面にしてるうちのワンコに超食いついて来て、犬トークしちゃった!!
宮ノ内の話して困ってる詩くんが可愛い!
っていうか詩くんの話を聞くと、宮ノ内が出てくる!
コンビニの新作アイス情報に詳しい!で、そのアイス買ってくれるのが宮ノ内!!何それもっと知りたい!二人の話に萌える!
詩くんって、宮ノ内と違って気軽に話せるからいいよねー!
宮ノ内と仲良くてさー、こんな弟いたら最高!
女子はたちは面白がって、萩生に色々話しかけているらしいけど、いつの間にか霧緒から萩生へと関心が移っていることに彼女達は気がついていない。
最近萩生がモテだしてるところはそう言った理由がある。
スゲーな、萩生。
まぁ、絶対の秘密だけど、霧緒と付き合ってるってだけで相当凄いんだけどな。
二人の事は詳しくは聞かないし、俺らのことも聞かれないけど、霧緒が萩生のことを大事に想っていることは確かだ。
それは類の一件でも良く分かったし、あんな余裕のない霧緒を見たのは初めてだった。
萩生への溺愛執着っぷりに……ったくドン引きだぜ親友よ。
それまでの女子たちとの付き合いが、いかにいい加減で適当だったかが良く分かる。
まぁ……それは俺も同じか。
正直、めちゃくちゃ屋内に会いたい!!
もう少し……もう少しと思えば思うほどその想いは強くなる。
ぶっちゃけ……ヤりてぇ。
キスをして抱きしめて髪を触って、眠たそうな瞳を見つめて興奮したいし、挿れて腰振って繋がって、イクときの屋内のあの顔が見たい。エロくてマジヤバい。
彼の控えめな態度や優しさは一見クールだ。
キリッとした瞳がそうさせるのかもしれないけれど、中身は大分天然で、時に想像を超えた行動や言葉をぶっこんでくる。
返答に困ることもあるけど、本人はいたって真面目で純真で……そこが妙に……可愛い。
……そう可愛い。
あー!!クッソ!!!
「バレンタイン……」
「?」
「何か準備してるらしいぞ?詩が屋内と一緒に何か作るとか言ってた。屋内が作るのは当然お前のだろ?その日くらいさ、ちゃんと会ってやれば?その顔、いい加減ウザイわ」
ムカつくくらいフンと笑う親友は、そう言って教室へ戻って行った。
あーそんなダサい顔してんのか俺は。
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