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第1話

   一人暮らしの恋人雄馬の部屋は、クーラーと扇風機で涼しいのに。  俺の体が、息が、熱い。   「はぁっ、岬……好きだ」 「ん、俺も。雄馬ぁ……」  細くて硬い俺の体を、雄馬が抱きしめる。微かな体臭と石鹸の香りがした。  頬に手を添えられ、唇が重なる。少し乾いている唇をそっと食まれ、水分を与えるように|舐《ねぶ》られる。  雄馬は優しい。  俺がおずおずと開いた口の中。脅かさないように入って来た舌が、ぴちゃぴちゃといやらしい音を立てながら、熱を交換する。  飲み切れない唾液が顎を伝った。それすら、ゾクゾクした快感を生む。  ベッドに並んで腰掛ける。  雄馬の大きな手が、俺のシャツをめくって、胸を優しく撫でてきた。それから薄い胸板にある突起を摘まみ、クリクリといじる。 「あっ、それっ。ヘンな感じ、する……」 「そう? ヘンじゃなくて、気持ちいいんだよ」 「そ、そうかな……」  自分の反応に怯える俺に、雄馬が微笑んだ。愛おしいって気持ちを隠さない、素直な表情。  自分の存在を受け入れられている喜びに、俺の胸が甘く痛み、きゅーっとなる。 「岬……いっぱい気持ちよくするから……」  胸をいじっていた雄馬の手が、下に降りていく。俺の脇腹をいやらしくなぞり、へその周りをクルクルとなぞった。  でも、その下は。  ズボンを脱がされる前に、俺は雄馬のモノを握った。 「な、雄馬。今度は俺がするからさ」  返事を待たずに、雄馬のボクサーブリーフを下げる。ぶるんと飛び出て来たデカちんこを、両手で包む。ズル剥けの先端を親指で何度も擦り、出てきた先走りを竿全体に広げて扱く。  くーっ、デカいなぁ。   「岬、それイイっ!」  握った熱いちんこの先からどんどん我慢汁が垂れてきて、俺の手をさらに濡らす。  にちゃにちゃという淫らな音が、俺を興奮させた。期待に膨らんだタマも忘れず愛撫する。 「うっ……岬っ」  雄馬の反応に気を良くして、俺は次の段階に進む。   「じゃあ、舐める……」  ベッドの端に座る雄馬の足元に跪く。股間に顔を伏せて、舌を伸ばした。  プルプルと震える雄馬のちんこ。両手で竿を握って、カプリと咥えた。上から雄馬が凝視しているのが分かる。俺は咥えたまま目線を上に上げ、舌を動かした。  雄馬は自分の口元を押さえながら、それでもこちらを凝視している。  そうだ、もっと興奮しろ。|俺《・》|の《・》|ち《・》|ん《・》|こ《・》なんて忘れるくらい……。   「んっ、……ふっ」  俺は目を伏せると、ぴちゃぴちゃと舐める。上顎に先端を当てて、雄馬の反応を確認する。うん、気持ちよさそう。  興奮した雄馬が、腰を動かさないように我慢しているのが分かる。そのくせ、俺の頬を愛おしげに撫でてくるんだ。  雄馬って、マジで優しい。   それに付け込んでる俺はひどい奴だ。でも精一杯、お前に尽くすから……。   「岬っ、出る! 口、放せっ」 「ん、らして、このまま」 「あぁ、くそっ! ほんとにダメだって! っぐ!」    ドピュドピュと勢いよく吐き出される雄馬の欲。俺は呼吸困難になりつつも、喉奥で受け止める。でもまだ飲み込まない。 「見へ?」  雄馬に口の中を見せてから、そのまま白濁をごくりと飲みこむ。 「ちょっ!? 岬、吐き出せ!」    慌ててティッシュを掴む雄馬を無視して、すべて飲み込んでしまった。  ん、変な味……。   「雄馬、あー」    大きく口を開けて、全部飲み干したことを雄馬に見てもらう。  雄馬は顔を真っ赤にして立ち上がり、冷えたミネラルウォーターのボトルを渡してくれた。   「ん、ありがと」  渡してくれたことと、開栓していないことへの二重の意味を込めて礼を述べる。  だって、女扱いされるのって嫌なんだ。  俺は男だ。  たぶん雄馬はタチってやつで、俺はネコってやつなんだろうけど。だからって女みたいに気遣われるのは、なんかムカつく。    パキリと音を立ててペットボトルを開け、ごきゅごきゅと音を立てて水を飲む。  半分ほど減ったところで、人心地ついた。    「雄馬、いっぱい出たな。気持ち良かったろ?」 「おう……」 「へへっ。俺も上手くなったしー?」 「だな。じゃあ、岬。今度は俺が」  そう来ると思った。  俺は、ズボンを脱がそうとする雄馬の手を避けて立ち上がる。 「俺はいいよ。もっかいシャワー貸してもらってもいいか?」  「岬っていつもそう言うよな。俺に触られるの、嫌か?」 「そうじゃない。けど、まだ恥ずかしいから……」  思わず俯いて、息を止める。顔が赤くなっているように見えるだろうか。  雄馬は手だけをもどかしげに動かし、動かない。これなら大丈夫そうだ。  ――ごめん、雄馬。優しい彼氏。俺はお前を、都合のいい男にしている。      ◆

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