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第42話
「で、アルトきゅん的にはどうしたいの?」
裏庭でランチを取りながら、今や敵から恋の師匠に変わったマリアンヌと会話をしていて聞かれた。
「え?どうって……人目を気にしないでメイソンに甘えたいし、ベタベタしたい」
頬を染めて答えたアルトに、マリアンヌは目を据わらせて
「重い!重すぎ!!第一、執事と主やら身分の事を差し引いても、メイソンとアルトきゅんは男同士ですのよ!もし、バレたらメイソンは速攻クビ。二度と会わせてはもらえませんよ!」
そう言われて、アルトはガックリと肩を落とした。
「そっか……」
「そうですよ!しかも、アルトきゅんとの関係をバレないようにして下さるなんて、メイソンだってアルトきゅんと離れたく無いからでしょうし……」
そう言われて、アルトは少し気持ちが楽になった。
「そっか……そうだよね」
そう呟くアルトに
「ちなみに、メイソンとのえっちはどうなんですか?もちろん、今度詳しく……」
鼻息荒くマリアンヌが言い出したので
「見せないし、教えないよ!!」
と真っ赤になって叫んだ。
するとマリアンヌは唇を尖らせて
「私のお陰で付き合えたのですから、少し位良いじゃないですか!」
そう言ってブツブツと文句を言っている。
「じゃあ、良いよ!次の新刊は、誰とアルトきゅんをえっちさせようかなぁ~」
なんて言い出したので
「止めて!!マリアンヌの漫画は、予言書になっちゃうんだから!!」
と、アルトは慌てて叫んだ。
「え~!!趣味と実益を兼ねているのに……」
益々、唇を尖らせるマリアンヌに、アルトが深い溜め息を吐いたその時だった。
「やっぱり此処でしたの?」
呆れた顔をしたアリアナとロベルタが現れた。
「あんなに私とマリアンヌが仲良くなるのを嫌がっていらしたのは……、やはりマリアンヌが好きだったからなのですね」
キラキラした目をしてアリアナはそう叫ぶと
「よろしくてよ!アルト。私、二人の事は誰にも言いませんわ」
にっこり微笑んだアリアナは、マリアンヌの手を取り
「マリアンヌ、アルトをよろしくね!」
なんて言い出した。
アルトは苦笑いをしながら、それでも初めて出来た女友達が嬉しそうなアリアナの顔を眺めていた。
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