孝弘の唇がそっと乳首を食んで、祐樹は熱い息を吐いた。 　さっきから何度も指や舌で弄られたそこは、もうじんじんしている。甘噛みされるだけで、色づいて腫れた乳首から快感が広がってびくんと体が跳ねた。 「んっ…、あぁ…」 　思わずため息をもらすと、孝弘が微笑む気配がする。ちゅっと吸いつかれて、もう片方を指でかわいがられると体がさらに熱くなる。 　女の子じゃないから触り甲斐がないだろうと思うのに、孝弘は小さな突起を丁寧に愛撫する。じわじわと生まれた熱は体を巡って最終的に腰のあたりに集まって、祐樹はまた小さなため息をつく。 　風呂から直行でベッドに来たから、最初から裸で何も隠すことができない状態だ。まだ抱き合ってキスをして少し触られたくらいなのに、気持ちが逸っているのを感じる。 　孝弘は半ばほど勃ち上がったそこには触れないで、さっきから鎖骨や脇腹や腰をいたずらに撫でてはあちこちに口づけている。 「気持ちいい？」 「うん、すごくいい…」 　素直に返事をしたら、孝弘が嬉しそうに目を細める。 　その顔が好きだなあと思う。 　普段は見せない欲のにじんだ表情が、祐樹をドキドキさせているなんて気がついているんだろうか？ 　大きな手で頬を撫でて、指先で唇をなぞられた。そのまま孝弘の指を舌で舐めると口の中に入ってきた。舌を絡めながらちゅうちゅう吸うと、遊ぶように口蓋を撫でられた。 　くすぐったくて甘噛みしながら笑うと指が抜かれて、唇でふさがれる。舌を絡めあって吐息を交換しながら角度を変えて深く浅く交りあう。 　祐樹も手を伸ばして、孝弘の胸から腹へと手を這わせた。張りのある筋肉と皮膚の弾力を手のひらに感じながら、楽しくなって何度も撫でる。 「祐樹、くすぐったいよ」 「そう？　感じる？」 「というより、くすぐったい」 　くすくす笑う孝弘の滑らかな肌を楽しんで、そのまま手を下ろして性器に触れた。まだそれほど反応していない。 　でも手の中に包んで擦るとたちまち芯を通してしっかりと張りつめてくる。素直な反応に思わず微笑んだ。　 「祐樹、舐めて」 　熱のこもった声でねだられた。それが嬉しい。 　ちゃんと欲情してくれていると思うと安心する。一緒に快楽を分け合う相手としてこの体を欲しがってくれている。 　滑らかに張り出した先端に口づけて、ゆっくり口に含むと孝弘がふ…と息をつく。何度か出し入れしながら喉の奥に届くまで受け入れて、きゅっと全体に圧をかけると口の中で反応してぐっと質量を増してくる。 　その反応に気をよくして、熱心に口淫を施した。 「熱いな、口のなか」 　孝弘が湿り気を帯びた声でつぶやく。 　舌で舐めまわしながら手で陰嚢をかるく揉むとくしゃっと髪を掴まれた。それほど強くなく、かるく固定される。そのまま口に含んで舌で愛撫を続けていると、孝弘の腰が揺れて主導権を持って行かれた。 「苦しい？」 　目を合わせて、気配だけで首を横に振ると孝弘にはちゃんと通じたらしい。 「もうちょっとさせて」 　そのまま何度か腰をグラインドさせて往復されているうちに、どんどん育って喉の奥までめいっぱいの大きさになる。 　口全体で含むとどくどくと血流も感じ取れる気がする。呼吸が苦しくなって、隙間から何とか空気を吸い込んだ。 「あー、マジで気持ちいい」 　嘘じゃない証拠に先走りのぬめりを感じた。最後までイクのかなと思っていたら、孝弘が腰を引いて、自由になった祐樹ははあはあと荒く息を吸う。