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「朝、祐樹が起こして」  それほど寝起きが悪くない孝弘がこう言うのだから、本当に眠いのかもしれない。でも祐樹の体をたどる手は止まらなかった。 「わかった。ベッド行く?」 「うん」  素直にうなずいて身を起こし、寝室に行く。寝室に入ると歩きながら部屋着の長袖Tシャツとズボンを脱いでベッドに乗った。 「なんか眠い……」  ビールで酔ったときにはそんなことは言わないが、日本酒だと眠くなるタイプなのかもしれない。子供みたいにあくびするのがかわいいと思いながら、祐樹は孝弘の上にまたがった。  考えてみれば、あまりないシチュエーションだ。 「おれがしてあげるから、寝てていいよ」 「えー、いちゃいちゃしたいのに」  そう言いながらもベッドにごろりと横になって、祐樹がかぶさると大人しく腕を回してくる。あ、こういうのも新鮮でいいな。  キスを交わしながら手を滑らせて、下着の上から触れた。まだすこし反応しただけのそこを強弱をつけて撫でると、物足りなさげに腰が揺れた。あまりゆっくりしていると寝てしまうかもしれない。 「手がいい? 口でする?」 「んー、口でして」  孝弘も寝てしまいそうと思ったのか、即物的な質問にあっさり返事があった。 「わかった」  下着を脱がせてそっと口をつけた。先端の丸みを舐めると、腰が震える。全体を舐めてから口に含んで圧をかける。亀頭の滑らかなところを舌で包んで、根元は指で作った輪で擦った。  ぐぐっと硬く勃ち上がってくるのがダイレクトに伝わってくる。素直な反応に気をよくして、舌や頬を使って締めながら頭を上下させて舐めまわしていると、「あー、すごくいい」とため息交じりの声が聞こえた。  その声に満足そうな響きを感じて、祐樹も嬉しくなる。舌を絡めながら敏感なところを何度も刺激すると、孝弘の息遣いが乱れた。  だんだんと口の中で質量を増していくのが嬉しくて、熱心に愛撫した。息苦しいけれど嫌じゃない。孝弘の手がくしゃっと髪を掴んだので、一旦顔をあげた。 「このままイク?」 「いや、入れたい」  身を起こそうとする孝弘を制して、祐樹が体をずらして位置を調整する。孝弘の腰の位置まで上がって、シーツに膝をつく。 「いいよ、このままで」 「え、平気?」  意図に気づいた孝弘が慌てた声を出した。このまま受け入れるつもりなのを悟って焦っている。そんな顔を見るのもめずらしくて、祐樹は思わず微笑んだ。 「ん、舐めながらほぐしたから大丈夫」 「エッロ。そんな顔してそんなこと言うし」  あれ、まずかったかな。でも孝弘は楽しげに笑っているから、まあいいか。

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