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「眠気覚めたわ。それ見たかったな」
「見えるわけないでしょ」
「うーん。今度見して、自分でしてるとこ」
「それは嫌だ」
「えー、なんか興奮する。祐樹が自分でしてるとか」
「いいから、もう黙って」
そこにローションを足していると、痛いくらいの視線を感じる。
孝弘は自分からあれこれしたいタイプで、セックスの時もそうだから、こうして祐樹が上になって主導権を持つのは初めてだった。
期待しているような顔つきで、じっと祐樹と目線を合せている。枕に頭を預けて両手は祐樹の膝や腿を撫でている。
「ガン見されると、なんか恥ずかしいんだけど」
「いや見るでしょ、こんなエロい祐樹なのに」
「エロいかな?」
「うん、大歓迎」
浅いくぼみに孝弘を導いてゆっくり腰を落としていく。ぐっと下から押し入ってくる感覚は普段と違っていても体は孝弘を求めていて、受け入れた内壁が喜んでいる。少しなじんだところで体を上下させると孝弘が更に大きくなった。
「あー、気持ちいい」
「おれも、いいよ」
息を弾ませて答える。自分でいいところに当たるようにすると繋がったところから快感がぶわっと広がった。きゅんと体が引き絞られて背筋をぞくぞくと電流のような感覚が走っていく。
「あ、んっ……ん…」
顔を見るのは恥ずかしくて目線を外したけれど、じっと見つめている孝弘の視線がはっきり感じられて、それにも興奮する。
「ヤバい。マジで、祐樹…」
「いきそう?」
腰を大きく回すように揺らしていると、孝弘がいきなり枕から身を起こしてきた。
「見てるだけとかやっぱ無理」
ぐっと体を起こすと祐樹の腰を掴む。
対面座位になって突き上げるように腰を動かしてきた。力強い律動で祐樹を翻弄する。
「あ、ああ、いいっ」
さっきまで自分で快感をコントロールしていたのに、そこから更に引き上げられて祐樹は背中をしならせた。孝弘の肩に手をかけてこらえようとするけれど、孝弘はちゃんと祐樹のいいところを的確に抉って来た。
「や、そんなしたら、イク」
「いいよ、俺もいきそう」
孝弘も余裕はないようで、引き延ばされることはなく、祐樹はそのまま絶頂を迎えた。一瞬の緊張の後、びくびくと痙攣するように腰が揺れた。自分の放ったもので下腹が濡れた感触を感じてすぐに、孝弘が中で弾けた。
しばらく二人とも黙って、息を整えていた。抱き合って密着した体がしっとりしている。孝弘が大きく、はーっとため息をついた。
「マジでエロ過ぎて眠気も飛んだわ」
「嫌だった?」
「まさか。大歓迎って言ってんの」
「うん、おれもよかった」
「つーか、祐樹も実はけっこう酔ってるよな?」
「…あー、そうかもね」
そう言えば、酔うと大胆になると言われたことがあった気もする。祐樹にとっても日本酒は久しぶりだったし、そんなに飲むこともないから酔っていたのかもしれない。
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