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3度めのLIVE(3)

僕の状況に納得して、 アヤメは、ホッとした風に続けた。 「じゃあ、イかせてあげれば治るのか…」 そう言いながら彼は… 僕のワンピースの裾を捲り上げた。 そして、僕の下着を脱がせようとした。 「…やめて…ください…」 僕は思わず言ってしまった。 「…やめても…いいけど…?」 アヤメは、下着の上から、僕のモノを触りながら、 意地悪っぽく続けた。 「そういえば、歌ってる時からずーっと…すごく気持ち良さそうだったよねー」 「…んんっ…ん…」 「…俺に、手を伸ばしてくれたしね」 「…」 僕は震えながら… 必死に目を開けて、彼の目を見た。 …伝わってたんだ と、僕の頭に…いつかのシルクの言葉が甦った。 (強くなれ、カオル!) …僕は、再び目を閉じて…意を決した。 「イかせて…ください」 「…いいの?」 「…手を…取ってもらったから…」 アヤメは、ニヤッと笑った。 「どうしたらいい?」 「…アヤメさんの、好きなように…してください」 「…じゃあ、挿れても…いいの?」 「…はい…」 アヤメは、それを聞くと…スッと立ち上がって、 自分のズボンを脱いだ。 そして、僕の下着を勢いよく剥ぎ取った。 「…はっ…あ…」 「じゃあ、挿れるね」 そう言って彼は、僕の両足を開いた。 それから僕のワンピースを… 乳首が露わになるまで捲り上げた。 「…んんっ…」 僕はビクビクと震えた。 「すっごく良かったよ、お前のステージ…」 言いながらアヤメは、自分のモノを、 僕の中にねじ込んできた。 「はあっ…あああっ…」 「直後のお前とヤれるとか…すっごい役得だわ…」 言いながら彼は、何度も奥まで抽挿させた。 「んあっ…あっ…あっ…」 ハナからビクビクだった僕は、 あっと言う間に昇り詰めた。 「はあっ…あああっ…あ…」 早々に絶頂に達した僕は、 激しく身体を震わせて…吐精してしまった。 「中だけでイけるんだ、お前…」 そう言って、アヤメも腰の動きを早めた。 そして、ほどなく僕の中に吐き出した。 「はぁ…はぁ…」 余韻に息を上げる僕から、 彼はスッと自分のモノを抜き出した。 そして自分のモノを拭くと、 僕にティッシュを渡して立ち上がった。 「悪いけど、俺は行くね…」 そう言いながらアヤメは、さっさとズボンを履いた。 「おかげ様で、良いテンションで本番イケそうだ…」 言い残して、彼は出ていってしまった。 「…」 僕はしばらくそのまま… 目を閉じて、余韻の震えが収まるのを待った。 あまりに瞬く間の怒涛の流れに… 僕は、俄かには現実を受け入れられなかった。 アヤメさんと…しちゃった…? 「あれ…カオルは?」 何とか耐えながら、営業をこなし終えたシルクは、 まだお客さんと喋っていたカイに言った。 「まだ出て来ないのかー」 「…」 シルクは、ハルトを掴まえて言った。 「カオル、知らない?」 「楽屋に置いといたんだけど…居なくなってたね」 「…」 「どこ行っちゃったんだろう…」 ちょうどそこへ… 僕はフラフラと、出て行った。 「あ、カオルさんだー」 「カオルさん来たー」 「…」 シルクは一目散に、僕に駆け寄った。 「…どこ行ってた…大丈夫か?」 「…うん」 シルクは、小声で言った。 「自分で…処理できたのか?」 「…」 黙ってしまった僕の様子を見て… シルクは、良からぬ予感がした。 「ま…大丈夫なら、ちょっと話してこい…」 「…ん」 そう言ってシルクは、 まだ残っていたお客さん達の中へ、僕を送り出した。 とりあえず僕は、 ハッと思い出して、さっきの最前列の女子を探した。 その子は、サエゾウの取り巻きの中に居た。 「あ、カオルー大丈夫?」 「はい…あの…今日はありがとうございました…」 僕は彼女達にお礼を言った。 「サエ様の曲…ものすごく良かったです…」 さっきの子が僕に向かって言ってくれた。 「すごく切なくて…涙出ちゃいました…」 「そんなに言ってくれて、ホントにありがとう…」 僕は、彼女に手を差し出した。 彼女は、僕の手を握って…また泣きそうになった。 そんなこんなで、 トキドルの常連さん達を見送ると… 演奏隊は、いったん機材を片付けに楽屋に戻った。 気が抜けて、ボーッとしていた僕は、 何となくその場に残っていた。 とりあえずドリンクカウンターでハイボールを頼み、 ゴクゴクと飲んで、気を落ち着かせた。 「ふうー…」 トキドルのお客さんは帰ってしまったが、 最後のKY目当てのお客が次々とやってきて、 ドリンクコーナーは、見る見るいっぱいになった。 どんだけ人気あるんだ… そして、4バンドめの演奏が終わると… 彼らは吸い込まれるように、会場に入っていった。 少し空いたので、 僕は灰皿の近くに行って、煙草に火を付けた。 そこへ、片付けを終えたシルクがやってきた。 「あれお前、着替えなくていいの?」 「…あっ…忘れてた…」 僕は、煙草を揉み消すと… 急いで楽屋に向かった。 シルクが後をついてきた。 そして、楽屋のドアの手前で…僕の腕を掴んだ。 僕の身体をグイッと引き寄せて… シルクは小さい声で言った。 「…誰にヤられた」 「…っ」 僕は…振り向いて…恐る恐るシルクの目を見た。 彼は少し、怒っているように見えた。 「…」 僕が怯えている風なのを見て、 シルクは、ふっと表情を緩めて、続けた。 「ごめん…訂正する…誰に、ヤらせた?」 シルクって… 何でこんなに分かっちゃうんだろうなー 僕は、観念して白状した。 「…アヤメ…さん」 「はあーー!?」

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