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巡礼の余韻(3)

「…カオルさん…?」 「…」 気付いたときは、もう両腕が解放されていた。 「大丈夫ですか?」 「…」 心配そうな顔で見下ろしていたのは、 もう…いつもの、ショウヤだった。 「…ショウヤさんのせいで…変になっちゃいました」 「…」 「いっつも…意識なくなっちゃう…」 「…シルクさんのときも?」 「…はい…サエさんのときも…でした…」 「…」 ショウヤは、少しだけ寂しそうに笑った。 「カオルさんは…ホントに皆の玩具なんですね…」 「…はい」 僕は頷いた。 「…そんなカオルさんが、こんな風に僕と一緒に過ごしてくれるのが…僕は死ぬほど嬉しいです…」 言いながら…ショウヤはまた、 若干目をウルウルさせながら… 僕の身体を抱きしめた。 僕はまた、たまらない気持ちになって… 力無く…彼の背中に腕を回した。 そっと腕を緩めて… ショウヤは、まじまじと僕の目を見て…続けた。 「…しかもカオルさん…ちゃんと、僕を好きって顔になってくれてるし…」 「…」 彼は、僕の顔を両手で押さえた。 「…そう…なってますか?」 「はい…嘘ついてないです…」 「…だって、ホントに好きですから…」 「ありがとうございます…」 そして僕らは、身体を絡め合ったまま… 何度も何度も口付けた。 口付けたまま… いつの間にか、2人とも寝入ってしまった。 翌日… だいぶ日が高くなってから、僕は目を覚ました。 隣を見ると、まだショウヤが… 気持ち良さそうに寝息を立てていた。 その…むしろ可愛いらしい寝顔を見て、 僕はしみじみ思った。 あの、二次元ショウヤさんと… 同一人物とは思えないな… 「ふふっ…」 僕は思わず… その寝顔に、そっと手を触れた。 「…んっ…」 ショウヤがそれに反応して、肩をすくめた。 そして…鬱陶しそうに…彼は目を開けた。 僕は、彼の顔を見つめた。 「…」 最初、なんでココにいるの?…みたいな表情をして、 しばらくちょっと記憶を辿ってる風になって… やっとショウヤは、ニコッと笑った。 「思い出しました?」 僕はそれを見て、小さい声で訊いた。 「…はい、幸せな夜でした」 言いながら彼は、僕の手を握った。 「…今も…幸せです…」 僕らはまた…どちらからともなく口付けた。 「今日はお休みなんですか?」 「はい…」 「じゃあ…まだ寝てても大丈夫ですか」 「…はい…」 それを聞いたショウヤは… また僕の胸元を弄ってきた。 「…んっ…」 僕は、ビクッと身体を震わせながら… そっと彼のモノに手を伸ばした。 「…んんっ…」 ショウヤは、僕より大きくビクッと震えた。 既に割と固くなっていた彼のモノを、 そっと撫でながら… 僕は、少し恥ずかしそうに…言った。 「…僕が…挿れますか…?」 「…えっ」 「…黒スイッチは、入りそうにないですけど…」 「…」 それを聞いたショウヤのモノが… 一段と、ビクビクっと大きくなった気がした。 彼は、ガバッと身体を起こすと… 僕の上に覆い被さった。 そして、僕を見下ろしながら…言った。 「…そんな風に言ってくれる…カオルさんに…むしろ挿れたいです…」 「…」 僕は、ふっと笑って…彼を見上げた。 「…じゃあ…それで…お願いします」 ショウヤは、また…たまらない風な表情で、 勢いよく、僕の乳首に貪りついた。 そして、舌と指で、両乳首を愛撫し始めた。 「…んんっ…はっ…あ…」 それによって僕の身体はまた、ビクビクと… 気持ち良く、熱く昂っていってしまった。 「…カオルさんて…ホントにすぐ気持ち良くなっちゃうんですね…」 言いながらショウヤは… 片手をそっと、僕のモノに伸ばした。 「はぁっ…ああっ…」 僕は更に、ビクビクッと身を捩った。 「…挿れますね…」 彼は、僕の乳首から離れると… 僕の両足をゆっくり開いた。 「…んんっ…」 僕は肩をすくめて…身構えた。 そんな様子を見て…ショウヤは更に息を上げた。 そして、ゆっくりと… 自分のモノを、僕の中に差し込んできた。 「…んんっ…あっ…ああっ…」 大きくいきり勃った彼のモノが… 僕の中を強く刺激して… そこから湧き立つ大きな快感の波は、 すぐに僕の身体中をいっぱいにしていった。 「はぁっ…あっ…あっ…」 僕はもう、すぐに昇り詰めてしまった… 「…はぁっ…ショウヤさんの…気持ち良すぎ…」 「…んんっ…あっ…はっ…」 ショウヤは息を荒げて…ゆっくり腰を動かした。 「あっ…あ…あああっ…」 僕はほどなく…敢えなく絶頂に達してしまった。 僕のモノから、愛液が吐き出されるのを確認して、 彼は更に激しく腰を揺らした。 「はぁっ…あ…カオルさん…好き…です…」 言いながら、ショウヤも大きく身体を震わせた。 そして、僕の中に… 生暖かい感触が広がった。 「はぁ…はぁ…」 「…はぁ…はぁ…」 お互いに息を上げながら… 僕らは満足そうに、見つめ合った。 やがてショウヤは、ゆっくり僕の中から引き抜いて、 僕の身体を拭いてくれた。 改めて、バサッと僕の上に覆い被さった彼は… 僕を力強く抱きしめた。 「…もうこのまま、死んでもいいです…」 そう呟くショウヤの…背中を抱きしめながら、 僕は小さい声で言った。 「せっかく頑張って動画撮ったんだから…宵待ちが完成するまでは、死なないでください…」 「…そうでしたね…」

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