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家を出てから 第二十一話

別に怜央さんにやましいことをしたわけではないのになぜか焦っている やましいことというか、逃げてしまったことを怒っていないかがゆきにとっては重要だった もし、怒っているのならば.. 罵倒され、暴力などを振るわれるだろう。母からアルファの人はそうだと教えられてきたから... そう思ったら、体が震えだし、怜央さんから罵倒されている状況を作り上げてしまった 怜央さんが怖い... 一刻もここから逃げないと行けないのに、体が震えて動けない 僕に話しかけようとした悠羽が心配して、「大丈夫!?」と声をかけてくれるが、大丈夫ではない もし、見つかってしまったら... 僕の顔面蒼白な顔を見て、座ることにした 座ると言っても、近くに椅子などないためしゃがんだけだ 悠羽に背中をさすってもらいだいぶ落ち着いた 「悠羽、ありがとう。」と言う 「うん、それより、なんかあった?」と真剣な顔で聞いてきた 「うんっ...ちょっとね...」 「も、もしかしてだけど、う、運命の番?」 ゆきはそれを聞かれてあまり答えたくなかっただけど、友達なら真実を言うべきだと思い「そ、そう」と答えた 「だ、誰?」そこまで聞くぅ!?とは思ったが、答えた「あの、目の前で話してる人」 悠羽が驚いて「うぇ!?」と大きな声をだして、話を聞いている人全員が振り返った ゆきは悠羽が「あっ、やべ」と小声で言ったのを聞き逃さなかった、後で覚えとけよ! 悠羽の声に反応してみんな、なんだ?なんだ?という顔でこちらを見てくる や、やばい、どうしよう も、もちろん怜央さんも反応してるよね... だって少し見上げただけで全員こちらを見てるような気がするというか、全員見てるんだよなぁ〜 怜央さんが気づいてないかもしれないという希望で、恐る恐る顔を上げ、舞台の方へ向く パチッ 怜央さんと目があってしまった 恐怖で足が動かない、動かせない だが、怜央さんはこっちに向かってくる しかも、鬼の形相で こんな怖い怜央さん初めて見た 怒り、殺気のオーラがすごい 怜央さんのオーラに触れたものなら、一流のアルファがいてもビビって帰るだろうそれぐらいのオーラ しかも、俳優さんみたいな美形だから怒るとさらに怖い みなが怜央さんを恐れ、通る場所を開ける そんなもん開けんな!と言いたかったが、その叫びも虚しく、全員場所を開けていく 逃げないと... 最後の力を振り絞って僕は立ち上がり、出口のドアへ向かった

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