61 / 118

家を出てから 第二十三話

ポスッ ん?と思い顔をあげた そこには怜央さんが居た あぁ~終わった 人生終了です。 いや、今のうちにと思い横を通り過ぎようとしたが止められた そりゃ~気づいてますよね、アハハ... 視線が痛いのと、この雰囲気 ど、どうしよう... さっきからずっと沈黙 「あっ、あのッ」の声を被せるかのように僕に抱きついてきた びっくりして声がだせなかった いつもとは違う、心細い声で「心配した」とだけ答えた そのあともずっと抱きしめられたままだった さすがに、重たいという心の叫びを察したのか、離してくれた 「ゆき、戻って来てくれないか?俺の元に」 僕は、それを聞いても戻る気にはならなかった なぜなら、この人は僕と違うお金持ちなのだから... だから僕は素直に「ごめんなさい」と断った 「なぜだ!」と言われたが、答える気にならない 「俺のどこがいけないんだ!俺はお前が居なきゃ...」 その次の言葉は分かりきっている、怜央さんが言いにくそうにしている状態で 性処理してくれる人がいなくなってしまったって事ですもんね 「俺元に来るのが嫌な理由を教えてくれ!頼む」と真剣な顔をされた そんな真剣な顔をされたら、答えない訳には行かない 「怜央さんのためにならないからです。さようなら」と答えて、怜央さんを押しのけ、歩いた 「俺のため?そんなものゆきが決めつけることではないだろ!」 ならないんだってば! 貧乏人で!家柄も最低、顔も不細工、性格だって、自分で言うのはあれだけど、悪い 怜央さんは、そんな人と関わらない方がいいんです わかってるんです、どうせ捨てられることを... きっと、あなたは僕の元を去って素敵なオメガの所へ言ってしまう その時に僕の苦しみが...怜央さんに対する依存が...全て壊れてしまう 傷つきたくないんです。怜央さんを愛すことによって... だから僕は答えた 「あなたのことが嫌いなんです。」と

ともだちにシェアしよう!