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家を出てから 第三十話
あっ、そういえば、働くことってどんなことすればいいんだろう…
そう思い、怜央さんに聞いた
「ん?家事とかか?働くんだったらもちろん、住み込みだ」
住み込みか…
家賃払わなくなるし!むしろ大歓迎!
問題は家事の方…あまり、ご飯を作ったことが無い
東京に来てからカツカツの生活だったため、スーパーの激安おにぎりを買って凌ぐ毎日だったから、ご飯なんて東京に来る前ぐらいしか作ったことないかな
いや、お米買った方が安いでしょ!って意見もあるかもだけど、水使うし、電気も使う。それに、最低でも30分ぐらいは待たないと食べれない
それらの理由からゆきは家事を任せてもらってもいいのか不安だった
だけど、祖母に教えてもらった知識ぐらいはある!その知識を使えばなんとかなる気がする!
掃除もできるし…
頑張れるかも!
「僕、頑張ってみる!」と自信満々に怜央さんに言った
驚いた顔をしながらも、「そうか、頑張れ」と言われた
「明日、契約書を持ってくるから、空いている時間を教えてくれ」
「ん〜と18時ぐらいなら空いてます」
「そうか…わかった。ならその時間帯にくる。待っておけ」と言い出ていってしまった
ドアが閉まった音がした後、一気に、つかれがきた
その疲れで寝っ転がった
「はぁ〜」とため息をついた
ゆきは天井を見ながら考える
怜央さんが、助けに来てくれた。
例え、僕じゃなくて運命の番の定めだとしても…僕を助けに来てくれた。
嫌いって言ったのに、僕を助けてくれた
それだけで満足だった
チクチク心がしたのは…きっと恋…
お願いします、神様。
この恋心だけは隠させてください。
怜央さんのそばにいるだけで僕は幸せだ。
だけど、こんな醜いΩに付きまとわれたり、恋心を抱かれたりしたらどう思う?きっと嫌いになってしまう。
しかも、怜央さんは一番最初会った時、素敵なΩに囲まれていた。それがどうしても気になっている…
もしかしたら、番候補の方たちかも…
そしたら、あんな、綺麗な人達に勝てるわけが無い。
勝てるとしたら、醜い僕の同情心ぐらいだろう
こんな顔じゃなくて、もっと美人で泣き虫じゃなくて可愛いΩがよかった
もし、あの時死んでいれば…綺麗なΩに生まれ変われたのかも…
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これからは、ゆきちゃんの過去です
そんなに長くはしないつもりなのでご了承くださいませm(_ _)m
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