21 / 115

第21話 捕らわれる瞳

 気持ち悪いなんて、微塵も思わない。  寧ろ、もっと触れたいと、そろそろと手を裏返し、熱く硬いそれを、下着越しにやんわりと握っていた。  ぞわぞわとする痺れが、再びオレの背を震わせる。  オレのより、でかい…な。  形を(かたど)るように、先端と根元を幾度も往復する。 「……っ、は………」  熱の籠る吐息と共に、オレの手首を握る郭遥の手に力がかけられ、動きを止められた。  郭遥の制止に、理性が揺り起こされる。 「そんなにされたらイッちまうだろ」  ふわりと落ちてきた顔が、叱るように頬に噛みついてきた。  魅了されたように、オレは郭遥のペニスを扱いていた。  恥ずかしすぎる自分の行いに、掴まれていない手で目許を隠す。  はあっと息を吐いた郭遥は身体を起こし、オレを解放しつつ足の間に腰を戻す。  次の瞬間、郭遥に下着を剥ぎ取られた。 「ぅ、あ……っ」  羞恥心を蹴散らすコトに必死で、油断していたオレ。  目許を覆う手を離し、郭遥を見やる。  ふっと色気の漂う笑みを見せた郭遥は、少しだけ座る位置をずらし、身体を折る。  郭遥の目の前には、微かに芯を持ち始めているオレのペニス。  焦り隠そうと伸ばす手は、郭遥に捕まれ退けられる。 「隠すなよ」  膝裏に手を差し込まれ、持ち上げられる。  シーツから離れた裏腿が柔く撫でられ、(かじ)られる。  涎を垂らし、ぐるぐると喉を鳴らす肉食獣のようなその姿に、そわりとした寒気にも似た痺れが背を撫でた。  噛った場所をべろりと舐めた郭遥は、存在を主張するように、びくんと跳ねたオレのペニスをくにゅりと摘まむ。  なんの迷いもなく、滑る口腔内へとそれを誘う。  まだ完全に勃起していないオレのペニスが、舌上を這い、吸い込まれていく。  滑る口の中で、ねろりと舌に絡みつかれた。 「…………っ」  口にペニスを咥え込んだ間の抜けた姿のはずなのに、あり得ないほどの色気が溢れる。  その場からオレへと向けられた郭遥の視線に、身体も心も…、何もかにもが、じりじりと焦がされる。 「ぁ………ん、ふっ…」  逸らせばいいと思いながらも、郭遥の瞳から視線を外せない。  炙られる全ては興奮へと変換され、どくどくとペニスに血が滾っていく。

ともだちにシェアしよう!