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第十三章・5
「お腹が、いっぱいです~」
「それは良かった」
啓の運転する車に乗り、亜希はナビシートにもたれていた。
美しい音楽を堪能し、美味しい寿司を食べて、大満足だ。
「眠たかったら、少し目を閉じるといい。マンションに着いた時に、起こすから」
「啓さんが運転がんばってるのに、僕だけ眠るなんてできません」
しかし、道路は渋滞している。
少しずつしか前進できない状況だった。
「啓さん。少し、窓を開けてもいいですか?」
「いいよ」
眠気覚ましに新鮮な空気を入れようと、亜希はウインドウを開けた。
すると、耳に大きな音が聞こえてきた。
「わ、何だろう」
「うん。花火だな、きっと」
「花火大会ですか?」
「いや。この先のテーマパークでは、土日祝日に花火が上がるんだ」
亜希は、地元でありながら行ったことのない、テーマパークに思いをはせた。
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