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番外編 湖畔の城 シグ×ユイ編 ユイ視点 1
ついに湖畔の城にやって来れた!!
人族の国にいた頃から憧れてたんだよ。だって湖の真ん中にある孤島の断崖絶壁の上に建てられた、ゴシック建築の天然要塞なんだよっ?!
男のロマンじゃない?
少なくとも俺は湖畔の城の絵を見て虜になったんだ。そしてこの城をデザインしたのが前魔王様だと知って、前魔王様の大ファンになった。魔王城も、前魔王城も好きだけど、湖畔の城は何と言うか特別なんだよ。
周りの風景と城が完全に調和されてるんだよなぁ。俺にとっての理想の城なんだ。
しかも、前魔王様がこの城の塔から歌っているところを裏魔族配信で見てぶっ飛んでしまった。
「唯一無二の完全なる美」がそこにあった。
城も前魔王様ももちろん美しく、そこにとてつもなく魅力的な前魔王様の歌声が加わるんだ!!俺の語彙力では表現しきれないけど、とにかく素晴らしすぎた。
俺は、あれを見たから、魔族の国に大使として行く決意をしたんだ・・・
「ユイ、ユイ、あなたがこの城にとても憧れていたのは知っていますから怒りはしませんが、流石にそこまで私の事を忘れられると、後でお仕置きをしたくなってしまいますねぇ。」
「あっ?!シ、シグ、ごめん!忘れてたわけじゃないんだよ?!ちょっと城に見惚れてただけで・・・」
「まぁ、そこまで私も心が狭くはないですから。ユイにとって大事な物を否定したりはしませんよ?ただ、私の事も忘れないで頂きたいだけです。」
「忘れてなんかないよ!シグと一緒に見れて良かったって思ってるんだから!!」
「はい、はい、仲が良いのは分かったからとりあえずお城に入りましょうよ?」
そうランさんに言われて恥ずかしくなる。俺が城に見惚れてる間に、ロム先生が門番さんに言って、コイルさんという年配の魔族の男性を呼んで来たとの事。
執事っぽい見た目の、この城を管理する魔族の責任者らしい。
ロム先生とコイルさんがこっちにやって来た。ランさんはすでにあいさつ済みだったので、俺とシグであいさつをする。
俺がロム先生の弟子で、前魔王様の城デザインが大好きで、この城が一番好きだという事を伝えると大層喜んだ。
「私もこの城のデザインとこの周りの景色が大好きで、ここで働ける事を誇りに思っております。」
と、コイルさん。すぐに意気投合したよ。
俺とシグ、ランさんは、コイルさんに城の説明を受けた。観光客用のマップをもらい、おすすめスポットを聞いておく。
ちょうどお昼になったので、裏手の森でランさん特製のお弁当を頂いた。ランさんのご飯、めちゃくちゃ美味しいんだよっ!!卵焼きも色んな揚げ物も全部最高!しかもおにぎりもサンドイッチもある豪華版。精霊たちのお菓子もあって、みんなで美味しく楽しく頂いた。
お昼の後は、ロム先生は早速魔道具の修繕に向かった。ランさんは部屋で一休みしてからお城を観光するらしい。
俺とシグは、まず外観を見てまわる。ルーとローはそのまま森に居たがったので、好きなだけ森で過ごしていいって言った。シグと二人で連れ立って歩く。
「晴れて良かったね。夕焼けもすごく綺麗なんだって!塔の上から一緒に見ようね?」
「いいですよ。楽しみですね。」
ゆっくりと城の周りを歩く。城はかなり大きいのでなかなかの距離だ。城の周辺には人気もなく、二人でのんびり歩いた。
「ねぇ、ユイ。先程も言いましたが、私はあなたが憧れていたこの城にやっと来る事が出来て、夢中になってしまうのは分かりますし、微笑ましく思います。
ですが、私の事を忘れて欲しくはないんですよ。」
「えっ?・・・うん。」
「ですから、私を忘れないようにハーネスを着けてもいいですか?」
「?ハーネスって何??」
「本来は墜落制止用器具ですが、ファッションとしても取り入れられている下着?のような物ですかね?革製なら私が魔法で作れますので。」
「!!!分かったかも・・・マッチョな方が大胸筋の上にベルトみたいなのを着けてるヤツでしょ?!肩とか首とかと繋がってる・・・?」
「そうそう、それです。ただ、そのように大胸筋を飾るだけでなく、ユイ専用の素敵な革のハーネスを着けて頂きたいんです。」
「・・・何かすごく嫌な予感がするんだけど・・・」
「絶対にユイは気に入りますよ?試してみましょうね!!・・・・・拘束。」
いつもより時間をかけて拘束魔法を唱えるシグ。
・・・俺の服の下、つまりは素肌に革製のハーネスが装着された。ちょうど乳首の真下を締め付けるような構造。首と肩にも繋がっている。革のベルト?が乳首に擦れるし、押し上げるような構造なので服にも擦れるんですけどっ??!
「ハーネスには、色々な形がありますからね。これも正規の商品として販売されている形です。本当は下まで繋げたかったんですが、ユイが城を堪能出来ないと可哀想ですので上だけにして差し上げたんですよ?」
いや、下まではやめて?!!!これだけでも充分気になって仕方ないからっ!!
まぁ、でも前みたいに乳首そのものを拘束されるよりはマシか?って思って了承した。デザイン的には嫌いじゃなかったし。俺、こういうゴシック調のボンテージとかのデザイン好きなんだよね・・・
って、俺が甘かったのは認める。確かハーネスって普通はこれを着けても上半身裸のままとかだよね?筋肉を見せる的な。けど俺に着けられたのは何と言うか・・男のブラジャーっぽい??
胸の下で締め付けられ、常に胸を押し上げられる形だ。どうしても乳首が押し出され、服に擦れる。
おまけに乳首への強化魔法は禁止されてしまった。
酷いよねっ??!
そんな状態で城を堪能出来るはずがない。まぁ、それでも塔から見た夕陽には感動したし、意地でも城の中も見てまわったけど。
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