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アルファ

ゆずが目に写ったのは横になっている体。手には手錠があり、その手錠はベットの金具に繋がれ身動きが取れない状況に、なんと言っても衝撃的だったのは赤いキスマみたいなものが着いていた それを見た瞬間に"助けなきゃ”という思いが強くなって「かおりくん」と叫ぼうとした瞬間にサッカー部の先輩に口を押された そして、ドアは閉められかおりくんの姿は見えなくなった 必死に抵抗しようと「ん~っ!ん~っ!」と声をあげるがオメガの力ではアルファに勝つこともできない 「かおりが起きちゃうだろ?やっと寝たばっかなんだから」とニヤケながら言い 続けて「かおりが起きちゃうから別のところで話そう」と言われ 声を出さないように口を押さえつけられながら階段を降り、やっと出口を出たところで離された 「はぁ、はぁ」 苦しいぃ…。こんなに押さえつけられたら死ぬ…。というゆずのこともお構い無しに「かおりのこと知りたいだろ?あそこのベンチに座ろう」と言い近くにあったベンチを指さした まだ、息が上がっていたので「は、はい」とヘトヘトになりながらも答える そして、ベンチに座り息を整えた後に話し始めた 「かおりはさ、昔いじめられてたんだよ」 あっ…それは聞いたことある 「はい、知ってます」 「そう…それで俺が助けてあげたんだ。昔ヒーローごっこってのにハマってたからさ。助けてあげた時の笑顔が忘れられなくてさ、一生こいつを守ってやるんだって誓った」 それだけ聞くといい話だけど…。 「かおりも俺の命令にも従うし、なんでも着いてきた。けど、あの時の笑顔は二度と見れなくなった。いじめられないからだ。こいつは1度きりだけって思ったんだろうな」 「それからは、俺はかおりをいじめてくれって頼むようになった」 「はっ!?さ、最低じゃないですか!?」と思わず言った そしたら、イライラしながら「そうでもしないと依存しねぇんだよ。お前の一条?だっけ?そいつもお前にしてるし、アルファはみんなそういうことしてんの」 「わかるか?周りのヤツが全員悪いやつで、助けてくれたのはアルファだけ、お前も一条だけだったら依存するんだよ」 じゃあ、あの写真も、あの赤文字も全部…一条様が…。 そう思ったら心底腹が立ってきたのと同時に、何故か悲しみが溢れた 心のどこかで信じてた…。助けてくれるんじゃないかって それもこれも全部一条様がしたことだなんて…。と落胆していたら隣から「ウグッ」と音がした ん?咄嗟に思ったのが首を締められている?だった。見ようと思ったが「余計なことを喋るな」と聞き覚えのある声がして僕は動きを止めた "一条様だ”

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