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小動物

ムフフっ!ウマウマ!パクパク!と一条様の重箱を食べる 高級なだけはある! なんでも美味しい!けど、量が多すぎて授業が始まる5分前ぐらいに食べ終わった ホッ…なんとか間に合った!と思いお弁当を片付けようと机の上を見ると一条様の重箱に目がいった こ、これどうやって片付ければ… 無知なゆずでも重ねて完成!ってことはわかるが、これをどこに片付ければいいかが分からない ま、まさか…一条様の元に!? それだけは嫌!無理無理無理! かといって持ち帰る? いやでもとにかく会いたくなーい!と頭を悩ませる ん~!どうするば… やっぱり、届けるしかないか~なんて思ってたら授業が始まってしまった 先生も来ないみたいだし、そのまま自分のお弁当を片付け、実は、再来週にあるテストの勉強をし始めた 一通り目を通すけど、何を言ってるのかさっぱり分からない 結局何も分からず、1時間に解けた問題数は10問 授業してもらわないとなんにもわかんない…。 ネガティブな考えはやめよ!自分自身で頑張るんだ!と心に決めた その後も、5時間目の同じことを繰り返し、先生が来ないホームルームをしてゆきはお弁当を返すかどうかを考えていた どうせ返すんだったら早い方がいいとは思うけど…。なかなか勇気が出せない その後、ずーっと重箱と格闘して、スーッと返してスーッと帰ればいいんだもんね!ということに気づいてアルファの棟に向かった アルファとオメガの共同踊り場を抜け、初めてアルファの棟に オメガの棟とは違い、綺麗で高級そうな感じ 天井を見るとシャンデリア、横を見ると、フカフカそうなソファーが置いてあった はぁ、いいなぁ~こんな綺麗で…と羨ましそうに思うが、オメガの棟だってそこそこ綺麗だ というか、早く行かないと!と思ったら後ろからトンと肩を叩かれた ん?と思い、後ろを振り返ると、アルファであろう2人組がいた 1人目はチャラそうな男 2人目も、チャラそうな男 なんだ?と思い「あの…なんですか?」と質問する 1人目が「可愛いな!と思って声掛けちゃったんだ!」と言う か、かわいい?そ、それには語弊がある。地味だし…。でも、褒められたのは嬉しい。 「ありがとうございます!では、急いでるので」と振り返り、一条様の部屋に行こうとするけど、一条様がどこにいるのかも分からない キョロキョロと辺りを見ていたら 「やっぱり、可愛いから食べるわ」と聞こえた ん…?食べるって?重箱? 可愛いとは程遠いけど…と呑気なことを考えていたら さっきの1人目のチャラそうな人が前に出てきて蛇みたいに僕を担ぎあげた それに驚いて「え!?ちょ!待って!下ろして!」と言うが、下ろしてくれそうにない そして、2人目のチャラそうな人が「無理だよ~オメガはアルファに勝てっこないんだから!ウシシッ」と不気味そうな笑い声と共に言う とりあえず「助けて!助けて!」と大きな声で言うが、廊下には誰もいない そして、誰も助けを呼べないまま暗い部屋へと入っていった 真っ暗なまま床に降ろされ、2人の男が近づいてくる 「やだ、やめて!無理!無理!」と後ろに下がるけど、2人は僕と下がると同時に前に来る 1人目のチャラ男が「可愛いね…小動物みたい。ゾクゾクするよ」と気持ち悪い言葉を言う そして、壁にぶつかってしまった 「お願い!お願い!やめて!」と懇願するけど、2人目のチャラそうな男に手を掴まれて、身動きが取れない 気持ち悪い、気持ち悪い…。 2人目のチャラ男が「あぁ、もう逃げ場がないね!これから僕たちに犯されるんだよ!可愛い子猫ちゃん」と言う 声も息遣いも荒々しくて鳥肌が立つ 1人目の男が僕のズボンに手をかけようとした瞬間に一筋の光が教室に入った 「やめろ!」と聞き覚えのある声 ``聞き覚えのある声は一条様だった’’

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