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ゆずのお誕生日
今日、11月23日は僕のお誕生日!ということで、翼くんと、唯くんと、かおりくんがお誕生日会を開いてくれました
かおりくんは一条様とゆずちゃんが運命の番っていうのを知っている設定で読んでくれると有難いです
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ピピピピ…ピピピピ…
窓からの朝の光が差し込む
いつもと同じ、目を擦り、隣にある時計で朝かどうかを確認する
時刻は7時30分
まだ寝ていたいけど、今日は唯くんに誘われて、ショッピングモールにお出かけ
8時30分から集合するらしく、朝が早い
まだ、寝てたいけど、遅れたら唯くんに悪いと思い、二度寝しないよう、ベットから降りて部屋に設備されている洗面所で顔を洗う
パシャパシャと水で顔を洗ったが、ゆずは不器用すぎてどうしても服に水が着いてしまうことがここ最近で1番の悩みだ
水で濡れた顔をタオルで拭き「よし!」と顔をまじまじと見る
洗面所を抜けてなにか忘れているなと思い戻ると歯磨きをするのを忘れていた
すぐさま、歯磨きをし終わって私服に着替える
そして、時刻が8時00になっていることに気がついた
ここからショッピングモールまで10分はかかる。直ぐにでなければならない。朝ごはんなんて食べている余裕はない。だから朝ごはんは食べずに、部屋を出た
10分で着くと思っていたが5分オーバー。だけど間に合ったから許してくれるだろうと思い、ショッピングモールの中に入る
待ち合わせは…確か、ショッピングモール内にあるカフェだったはず…と思い、急いで案内表示を見るとそのカフェはすぐそばに合った
お店に入る前にメニュー表を見るとコーヒー1杯800円
た、高い!僕の地元のコーヒーの値段なんて1杯300円…いや、もっと安かったかも…。というか、おばあちゃん、おじいちゃんがいるだけだからコーヒーなんか滅多に飲まない。カフェもなかった田舎だったし…。なんてメニュー表を見ながら眺めていると定員さんの視線を感じてちょっと腰を低くしながら入店した
唯くん、先に来てないかなぁ~と思い見渡すと、真ん中らへんに座っていた
あ、いたいた!唯くん、発見!
唯くんの席に近づき「おはよぉ!待たせてごめんね!」と声をかけると下を向いていた唯くんが急にパッと顔をあげて「ゆ、ゆずくん…遅いよ~」と目に涙をためながらこっちを見てくる
「どうしたの?」
「そ、それが…値段が高いんだよ…」
「パンケーキ1個で1600円するし、ココア頼もうと思ったら1000円って書いてあって…もう僕、怖くて怖くてさ」と話す
「けど、何も食べずに抜けるのも変じゃん?だから、怯えながらずっとゆずくんのこと待ってたの…」
「そういうことね…確かに僕達浮いてる気がするし…」
唯くんが「うんうん」と首を縦に振る
「じゃあ、一番安いの頼もう」
「そうだね」と一緒にメニュー表を見ると1番安いので200円
しかも、ゆで卵1個だけ…
「じゃあ、僕、このゆで卵頼むよ!唯くんは何か食べる?」と聞くと
唯くんは「僕は、朝ごはん食べてきたし、さすがに高いから、いいや。ごめんね」と下を向く
「いいんだよ!それより、店員さん呼ばないとね!」
「すみませーん!」と店員さんを呼ぶ
すると、男性の方が出てきて「はい、ご注文はなんですか?」と聞かれたので恥ずかしながりながらも「ゆで卵1つ」と言う
当然事ながら「以上ですか?」と聞かれるので「以上です」と言い店員さんは去っていった
大丈夫かな…。少なっ!とか思わないかな…。多分思うよね…。だって僕でも思うもん…。
しかも、レジで200円払うの恥ずかしい…
恥ずかしくて死ぬかも…。
なんて考えてると唯くんが「そ、そういえば!お誕生日おめでとうって言ってなかった!お誕生日おめでとう!」
お誕生日…?
「今日って何日?」
「11月23日だけど…」
確かに、僕の誕生日だ!
「うん!僕の誕生日!誕生日!祝ってくれてありがとう~」などと喋っていたらゆで卵が届いた
翼くんに見られながらもゆで卵の皮を剥き、食べ始めた
半分ぐらい食べ終わった時に「ゆずくんって、ほんとに美味しそうに食べるよね~」
「え!?ほんと!?」
「うんうん!」と唯くんが首を縦に振る
「僕の家、農家だから食べ物を大切にしないとダメなんだ~」
「そうなんだね~ゆずくんの家の農家は何作ってるの?」
「ええっと、主なものは野菜かな?たまにいちごとかフルーツ系…ぐらいかな!?」
「ゆずくんの家の野菜食べてみたいなぁ~」
「今度、実家からお野菜が来たらあげるよ!」
「え!?いいの!?」と唯くんの顔がパッと明るくなる
「うん!いいよ~逆に食べてもらった方が有難いし!」
何せ、いっぱい届くんだよね…食べきれないっていうか…ゆずは食べ物大好きだからいっぱい食べれるでしょ!?ってか感覚で来るから…。
でも、僕は食べ物は好きだけどいっぱい食べることは無理なんだよね
なんて考えながらゆで卵を食べていたらもう食べ終わっていた
「唯くん、食べ終わった、からお会計しよ!」といい、お会計を済ませ、そのままお店を出た
「唯くん、どこに行く?」
「えっ?あぁ~どこに行こうね~」
「お金はどれくらい持ってきた?」
「ええっと、5000円ぐらい?」と唯くんが言う
「僕は、3000円しかもってない」
「どうしようね…」と困る唯くん
「ざっとお店を見て帰ろっか…」と言うことになり、全てのお店を見たが…
どれも高い…最低でも、1万円はするし、どのお店も高級ブランドばっかり…
もう足も疲れてきたし…
「唯くん、帰ろっか…」と言ったが「まだ!まだ!居ようよ!」
「え?だって、もう全部の商品みたし…」
「と、とにかく!居よ!ね!」と強引に再度、1周お店を回った
「もう、帰ろ~」
「う、うん!多分、大丈夫だと思うし!」
何が大丈夫なの?と聞きたかったが、もう、唯くんがショッピングモールを出ようとしてきたので、やめた
先に行っていた唯くんに追いつき寮に向かった
***
寮に着き、自分の部屋に戻ろうとすると、何故か、唯くんも着いてきた
「唯くん?唯くんの部屋は…」って唯くんの部屋の番号知らなかったんだ
「同じ階だからね!」と食い気味に答える
「そうなんだ…」なんか今日、唯くん変?
ま、明日には戻ってるだろ…。と思いつつ部屋に着いた
「じゃあ!またね!」と唯くんに言い部屋を開けると真っ暗だった
真っ暗って言うよりかは昼間なのでカーテンは締め切られてて明るくはあるけど…
1歩ずつ進んで行くと
後ろからぽんと肩に手をかけられて「うわぁ!」と驚き、声を出した
すると、「パ!パン!」とクラッカーがなる音がして「「「お誕生日おめでとう!」」」と、かおりくん、翼くんの声と、後ろから唯くんの声がした
びっくりしながらも「ありがとう!」と嬉しくなる
そういえば、唯くんが不自然だったのもこのため?だったのかな…。こういうの家族でしかしたことないから…わかんなかった
誰かがカチッと電気をつける音がして部屋が明るくなり、全体が見え、カーテンの上にはHappybirthdayの文字と、部屋の真ん中に机が置いてあり、机の上には巨大なプリンに、ホイップクリーム、プリンに刺さった僕の名前の載ったプレートが!
一目散で巨大プリンに近づきじーっと見る
するとかおりくんが「ゆず!これ全部食べていいんだよ!」と言う
嬉しくて「いいのぉ!?」と聞く
翼くんが「いいんだよ~」と答える
嬉しくて嬉しくてスプーンなんかがないかと机の上を探すけどない
するとかおりくんが「あっ!ごめん!ゆず!スプーン用意してなかった」と言ったので、それはいけない!と思い「じゃあ、僕が取ってくるよ!」と立ち上がって部屋を出て共同キッチンに向かった
引き出しから、スプーン、スプーンと4本取り、階段を上がって部屋のドアが見えたと同時にドアの目の前に人影がいることがわかった
誰だろう?と思い近づくと一条様がドアの前に赤い薔薇を抱えながら立っていた
はぁ~僕の誕生日なのに最悪
というか、どうしてこんなところに…?と疑問に思っていると
僕の存在に気がついたのか、一条様から「ゆず!」と言う声がして、反射的に後ずさる
「待ってくれ、ゆず」
「な、なんですか!?」と1歩ずつ下がるが、とうとう行き止まりになってしまい一条様が目の前に…
もう終わりだ…。と思っていたら僕の左耳に近づき「お誕生日おめでとう」と言われ、僕に花束を押し付けて帰って行った
スーツ姿だったからプロポーズか何かかと思っちゃった…。多分、仕事に行くのかな?なんて思いながら、部屋に戻り、机の周りに座っている3人と目が合う
翼くんのかおりくんが立ち上がり僕に迫ってきて「何その薔薇!?」とかおりくんが…
「ゆずたん!誰から貰ったの!?」と一斉に質問攻めにあった
「ええっと、ちょっと待って!一旦座ろう」となだめて、机を囲って話をする
「この薔薇は一条様から貰ったの…」
「キャー!素敵~」と翼くんが
「一条様って意外と、ロマンチストなんだね!」とかおりくんが言う
「というか!薔薇の本数には意味があるんだよ!数えてみたら!?」と翼くんがキラキラした目で言う
し、仕方ないなぁ~と思いつつ、薔薇を広げて数えるとちょうど50本だった
「50本だった」と告げると今まで黙っていた唯くんが︎「永遠、偶然の出会いって言う意味だよ」と教えてくれた
多分、唯くん、人見知りなんだろうな…。なんて考えながら「ありがとう!」と言うと翼くんが「偶然の出会いなんて!運命の番だから!みたいな!?」
「翼!いいこと言うな!」と仲良さげに話している
というか、ずっと気になってたんだけど「いつ2人は仲良くなったの?」
「え?準備してる時!」とかおりくんが答える
「それより!食べよ!ね!ゆずたん!」と翼くんが言いかおりくんが「ゆずたん!?」と驚きの表情を見せる
そして、翼くんは「ゆずたん!って可愛くない!?僕がつけたんだよ!?」と自信満々に言う
「じゃあ!僕も!ゆずたんって呼んでいいか!?」とかおりくんが言う
僕の意見はお構い無しに翼くんが「いいよ!じゃんじゃん言って!」と言う
アハハ…と思いながら薔薇の方に目を向けると1枚のバースデーカードが置いてあった
そのバースデーカードを手に取り、見ると表にはカラフルな動物たちとHappy birthdayと書かれていた。裏には一条様の文字で、素敵な1年にしてくれ。永遠に愛していると書かれていた
さっき言っていた薔薇の50本の意味…。永遠、偶然の出会いが思い浮かんだ
僕は素直に心の中でありがとうございますと呟きバースデーカードを大切に保管した
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