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疑問
もう、食べ終わったし、話す内容もないからお弁当を片付けて立ち上がり「お先に失礼します」と言いドアへ向かおうとした瞬間、腕を掴まれた
「ゆず…」
「はい?」
「やっぱり…いい。引き留めて悪かったな」と言い僕の腕を離した
僕は、なんですか?って聞き返したかったけど、あまりに悲しい声で言うものだから聞き返すのをやめた
僕は一条様の様子に心配しながらも図書館を出た
ん~なんだったんだろう?
何か言いたげな感じだったのは確か…
うむ~うむ~…考えても何も思い浮かばない…だって、一条様って何考えてるかわかんないんだよね
なんて言うか色んなこと考えてるんだと思うんだけど、その色んなことが混ざりすぎて無になったみたいな人
結局、一条様が何を言いたかったかは分からずじまい。どうせくだらないことだろうなぁ~なんてめっちゃくちゃ重要なことだったりして!
と考えていたら教室に着いた
教室に入るとかおりくんが泣きながら走って僕の胸に飛び込んできた
「ど、どうしたの!?」
「ゆずがいなくて寂しかったの…」
か、かわいい
発情期終わってからまだ数日しか経ってないから恋しくなるものなのかな?
赤ちゃんみたい
よしよしと頭を撫でてあげる
「すぐいなくなっちゃうし…グスン…」
まさか!?僕をサッカー部の先輩と勘違いしてる!?
ゆずって言ったもんね…
「暖かい」と猫みたいに頭をスリスリしてくる
大丈夫かな…先輩さん怒らないかな…
なんて考えてたら後ろから「ゆ…ず?」と声が聞こえた
この声は一条様!?
「おい!ゆず!抱きついてるのは誰だ!」と言い近づき僕とかおりくんを離そうとしたけどかおりくんが強力な力で外せれない
「ゆず!」
「はい!」
「誰だこいつ!」
「かおりくん、オメガだから安心してください」って別に付き合ってる訳でもないから言う必要あった?
「そうか…って!オメガだろうがベータだろうが、抱き合ってはダメだろ!」
「別に、友達と抱き合うぐらい…」
「ダメなものはダメだ!」
「別に、一条様の恋人でもないんだから…」と小声で言うと地獄耳なのか「あぁ?」と怖い声で返された
しゅんとちじこまる
「とにかく、抱きつくの禁止!それに!これ」とお弁当の箸ケースをくれた
「忘れ物だ、じゃあ、また明日も食べに来るからな」と言い教室から出て言ってしまった
僕は箸ケースを眺めてかおりくんはまだ呑気に「ゆず…あったかーい」と暖まってた
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