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【番外編】ドSのイケメンにいじめられる事でしか摂取できない栄養がある(3)
『菜々ってさー、獣なの? ってくらい絶倫なんだよね。いくらアルファでも、女と付き合った事なかったからびっくり』
「そ、そうなんだ……」
(え? 待ってアンジュちゃん菜々ちゃんと付き合ってるの?)
『女のくせに菜々って胸が好きでぇ~。ホントにアルファって男にしろ女にしろしょーもないよね』
それを聞いた蒼司が隣に腰掛け、僕のシャツのボタンを外し始めた。
(え? え、なに?)
僕が目線で問うと、蒼司はまたしても人差し指を唇に当てた。そしてそのまま僕のあらわになった胸を触り始めた。
「……っん!?」
『何なのよ、あんた。ちゃんと聞いてるの? 散々そっちの悩み聞かされたんだから、今度はこっちの話も聞いてよね』
「あ、はい。わかりました……あっん」
変な声が出かけて慌てて手で口を塞ぐ。蒼司が意地悪く口元に笑みを浮かべながら僕の胸の先端を捻った。
「んんっ……」
僕はアンジュに悟られぬよう、声を抑えるのに必死だった。
『でね、菜々は犬みたいに体を舐めるのも好きなの。あの見た目でよ? ――って、蓉平は菜々には会ったことあったっけ?』
それを聞いた蒼司が今度は僕の胸元に顔を寄せ、そこをペロッと舐めた。
「ひっ、やめて――!」
『やめて? 何言ってんの?』
「あ、ち、ちがう……間違えた! あっ、会ったことないって言いたかったの」
『あっそう。会ったこと無いのね。じゃあ今度紹介するわ。あ、そうだ! 蒼司にはナイショで女子会しよーよ。菜々に聞いてみりゃいいじゃん、どうやったら蒼司とエッチ出来るか』
すると蒼司が眉をひそめて先端をジュッと音を立てて思い切り吸い上げた。
「やぁっ! ダメダメやめて!」
『え? 何よ。だめなの? そんな必死で断んなくても……まあ、蒼司にバレたらヤバいしね。でもちょっとくらいいいじゃん?』
「あっ、う……ん! あ……蒼司くん怒ってるから! ――じゃない、怒っちゃうからダメ。それ以上はやめて!」
蒼司は無言で僕の胸を舐め続けている。もう、自分が蒼司に話しかけているのかアンジュと話しているのかわけがわからなくなってきた。
『わーかったってば。あ、そういや菜々がさー』
もう電話を切ってしまいたいくらいなのに、アンジュの話は終わらない。
『この前のヒートの時酷くてね。いくらやめてって言ってもやめてくんないの!』
(お願いだからアンジュちゃんこそその話をもうやめてよ!)
『アルファって、普段クールでもオメガのフェロモン嗅いだ途端そっこーで凶暴になるよねー』
僕は涙目で首を振り、蒼司にやめてくれるよう訴えた。すると彼は僕の手からスマホをもぎ取ってソファに置いた。
(え? 何するの?)
蒼司は頭が「?」だらけの僕のボトムスを剥ぎ取る。そしてあっという間に僕はソファの上にうつ伏せに組み敷かれてしまった。目の前のスマホからは相変わらずアンジュの間の抜けた声が聞こえる。
『体格差あるし、こっちは抵抗しても敵わないじゃん?』
僕は自分の背にのしかかる蒼司の重さを感じながら心の中で叫んだ。
(やめて……やめて……やめて! 蒼司くんアンジュちゃんの言うこと再現する気なんだ。お願いもう黙って!)
僕はなんとか通話を終わらせようと試みた。
「あ、アンジュちゃん。僕そろそろ晩御飯の支度しないと……」
『はぁ!? あんただけ好きなだけ喋ってこっちの話は聞けないって言うの?』
「そ、それは……今度! 今度聞くから」
『だめだめ、何度も電話なんてされたら私がAoに怒られるって言ってるじゃん』
「そんなことないよ!」
「ね?」と懇願する気持ちで蒼司を振り返ると、こちらを睨みながら首を横に振っている。次電話したらアンジュどころか僕まで怒られそうだ。
「いや……そんなこと、あるかな……」
『でしょ~。だから今話すって。あと少しだから~』
「うぅ……」
(もう限界なんだよ……!)
さっき胸を集中的にいじめられ、今は蒼司にのしかかられ首筋を舐められている。もう僕のアソコは勃ち上がりかけていた。
『それでね。菜々って背が男並みに高くて、指も長いの。でね、その指で死ぬほど中を弄られるわけ。”もうやめて、ちゃんと入れて”って私が言うまでやめてくれないの!』
(終わった――……)
僕は目を閉じてソファに突っ伏した。アンジュの言葉を聞いた蒼司が無情にも僕の下着を剥ぎ取った。ヒヤッとした空気が皮膚をかすめ、これから起きる事態を予想して僕は唇を噛んだ。
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