はじめに… ◆この物語のオメガバース設定について◆ 全ての生き物は種の保存の為に環境に応じて変化または進化して子孫を残そうとしてきた。人類もそれは例外ではない。 男性・女性という第一の性に加え、ごく稀にオメガとアルファと言われる第二の性が生まれるようになったのである。 アルファ性はオメガ性と生殖行動を行えばオメガを妊娠させることが出来た。 第一の性である男性と女性が相手の容姿や性格に惹かれて関りを持とうとするなら、第二の性であるアルファとオメガは互いのフェロモンによって惹かれ合う。 オメガは人としての理性を覆すような発情期が訪れそれをヒートと言うが、生殖可能な事を強いフェロモンを発してあまたの雄たちにその存在をアピールする。 外見は女性でもアルファとしての性を持つ者は子宮とは別に雄としての生殖器を持ち女性及びオメガの男性を妊娠させることが出来、またそれと同じく外見が男性でも、妊娠可能な生殖胎をもつオメガはヒートが来ればその本能には逆らえず、フェロモンを発し周辺にいる雄の機能を持つ者たちを引き寄せた。 ヒートはその個体によって周期や期間はまちまちだったが、だいたい女性の生理周期と同じようなものだった。 その性質上オメガは定職に着けず、卑下され屈辱の時代を生きてきた事もあったが、今はその数少ない種を保護し残そうという風潮が高まり擁護されつつあった。 ◆登場人物 ◇八雲　清正（やくも　きよまさ） 　第一性：男性、第二性：アルファ 　性格：順応性が高く着実に物事をこなすタイプ。 　嫌いな言葉は『親の七光り』 ◇小泉　昌己（こいずみ　まさき） 　第一性：男性、第二性：オメガ 　性格：気が強く正義感にあふれ世話好きなタイプ。オメガにしてはガタイもよく、福利厚生が良い公務員である警察官は自分の天職だと思っている。 　嫌いな言葉は『親のすねかじり』