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プロローグ1 ティム三歳
「やぁ、ティム。私は精霊のテュポンだ。私と契約しないかい?」
「テュポン?どうして、うえはひとがたなの?したはりゅうみたいだけど。おれたちドラゴンのせいれいは、でんせつのドラゴンのすがたをしてるはずだよ?」
「テュポンは上半身が人型のドラゴンなんだ。伝説のドラゴンの中でも最強の部類に入るんだけどなぁ?知らない?」
「さいきょうのドラゴンのせいれいは、パパのバハムートとママのリヴァイアサンだよ?おおさまとおうひさまだし、パパもママもすごくつよいんだ。」
「確かにバハムートもリヴァイアサンも最強の部類だけど、テュポンもなかなか強いんだよ。神とも対等に戦ったドラゴンなんだから。」
「ふうん。いいよ。ひとがたのおとこのすがた、きれいだし。」
「ティムはもう人型になれる?」
「うん!おれ、すぐにひとがたになれたんだ!パパもママもびっくりしてた。」
「へぇ?じゃあ人型になってみてよ?」
「いいよ!」
「・・・うん、いいね。ティムは今三歳だよね?じゃあ、私は、人型のティムを十歳にした感じの姿になるよ。」
「ふぇっ?!おれににてて、おにいさんみたい!!おれ、ちょうなんだから、おにいさんができてうれしい!!」
「うん、気に入った。私はこれからこの姿が基本だ。」
「・・・ふくはきないの?」
「精霊界に服はないからなぁ。ティム、王宮に帰ったら私に似合う服をちょうだい?それと、名前も付けてもらわなきゃ。」
「なまえ?テュポンじゃないの?」
「それは、種族の名前。猫や犬、みたいなもんなんだ。名前を付けてくれなきゃ契約出来ないよ?」
「う~ん・・・ノン、ノンはどう?!」
「受け入れた。ノンはティムと契約する。」
その瞬間、おれの中の何かがノンと繋がった。あぁ、おれはティムだけど、これからはノンでもあるんだ。
当たり前のようにそう思う。
おれは、人型のままでノンと手を繋ぎ、王宮に帰った。
ん?何だか騒がしいな??
「ティム様!!まさかテュポンと契約なさるとは!!」
おれのお世話係のミクがうるさい。ミクは成体になりたてのメスのドラゴンだ。
ドラゴンは十歳になるまでは、魔族や人族と同じ早さで成長し、そのあとは十年で魔族たちの一歳分、体が成長する感じだ。だからミクは今五十歳。魔族や人族でいうと、十五歳くらいの若いメスだが、とても有能なんだ。
「テュポンってめずらしいの?」
「はい!未だかつて、テュポンと契約したドラゴンはいません。て言うか、テュポンが精霊として存在するなんて、今の今まで知りませんでしたよっ?!」
ミクが、知らないって言うんだから相当レアなんだろう。おれのお世話係は、若いのに異常に物知りだ。
大臣とか宰相見習いにすればいいのに。若いメスだからといって、お世話係にするのはもったいないと思う。
もし、おれが王になったら、オス、メス、歳、なんか関係なく有能な者を才能に合った役職につけるのに・・・と、まぁ、それは置いといて・・・
「ミク、ノンにあうふくをもってきてくれない?」
「はっ、はいっ!!まずは王様と王妃様に報告させていただきますが、その後ですぐさま用意いたします。」
「うん、おねがいね?」
こうしておれは三歳でノンと契約したんだ。
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