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別れ

ゆ、茹でダコ!? そ、そんなに赤くなってたなんて恥ずかしい でも、キスした運命の番さんが悪いんだもん!僕は悪くないし! 「さっ、優お嬢様、お家まで案内致します」 「お、お嬢様じゃないって!」そういうとクスクス笑って小馬鹿にしてくる なんでこの人笑ってるの~もうっ! 「お嬢様は面白い」 「だから!そのお嬢様呼びやめてください!恥ずかしいんです…」 「あぁ、わかった。からかってすまなかったな」と謝られた 僕は本当に反省してるのか確信が掴めなかったため、お姫様抱っこされてる下の視点でじっと運命の番さんの顔を見る 笑ってないし、多分大丈夫 仕方がない「今回は許しす。けど、もう笑っちゃダメだからね!」と運命の番さんに言った それを聞いた運命の番さんはニコッと微笑んで、歩き出し、車に乗せられた 運命の番さんが運転するんだそう 僕は助手席に座らされた いかにも高級車です!キラン!って感じが伺える そして、僕に微笑みかけて静かに出発した 笑顔で、人いや世界を殺せそう…。それぐらい破壊力がとてつもない それでも他人に微笑みかけた姿を見たことない なんというか、運命の番さんは冷徹だ 人と接する態度は南極より冷たい そして、運命の番さんの鋭い目つきは人を何人か殺した感じだ でも、鼻は高く唇はちょうどいいぐらいの分厚さで、世にいう美形だ 体格、ガタイは良くてオメガにとっては理想のタイプな気がする そんなひとが運命の番なんて未だに信じられない。 さっきだって、従業員の一人や二人ぐらい惚れてた人は居たはず… そんな人が僕の運命の番だなんて 神様も意地悪ですね 僕が運命の番だなんて… 運命の番さんの立場になって考える どう考えても僕を殺したいはず… そんなことを考えていると、横目で東京の綺麗な夜景があるのに気がついた 気分を変えたくて景色を眺めた。綺麗な街並み。感動した しかし、突然真っ黒の背景になって優は写し出された じっと自分の顔を見つめる 僕は目つきが悪いため前髪で隠して幽霊みたいになっている 気味が悪い。自分でもそう思う。だけど、目つきが悪いから変えられない ふと、運命の番さんが運転している横顔が目に入った 今日で最後… 会う場所も口実も無い そう考えたら僕の目から一筋の涙が流れる これでお別れ

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