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第四話🔖嫌がらせには負けません
幸政さんを好きな気持ちは
僕だって同じだし、第一彼はゲイだ。
彼女には悪いけど、
例え相手が僕じゃなくても
見込みはない。
朝来野 さんが
何処で僕達の関係と
住所を知ったのかは
わからないけど、ある日を境に
嫌がらせをされるようになった。
犯人が何故、
朝来野 さんだと
断言できるかというと
ご丁寧に名前入りで毎回
手紙を送ってくるからだ。
ただ、この事は
幸政さん達には言っていない。
今のところ、
実害があるわけじゃないし
仕事の邪魔をしたくない。
先月から新しいドラマの撮影が
始まった幸政さんはとても忙しい。
仕事の合間にLINEや
電話をしてくれるから
病気や怪我を
してないのは知っている。
だからこそ、言わないことにして
普通に専門に通っていたある日、
とうとう、実害が起こった。
駅の階段で後ろから
突き飛ばされて右腕を骨折した。
顔は見えなかったけど
言われたことは覚えている。
“忠告を聞かないからだ
自業自得だと思え”
はぁ~、忙しい二人に
迷惑をかけたくなかったのに……
憂鬱な気分を抱えたまま
茉希さんにLINEを送った。
「晴哉君!!」
病院を出て歩いていると
息を切らしながら
走ってくる茉希さんが見えた。
『茉希さん、そんな慌てなくても
僕は大丈夫ですから(苦笑)』
利き腕じゃなくてよかったと思った。
「階段から落ちたって……」
『そうですね、後ろから
誰かに突き飛ばされたんですよ』
朝来野 さんの
関係者だとは思うけど、
後ろからだったから
顔は見えなかった。
ただ、声からして
僕より年上な男性な気がした。
『利き腕じゃなくてよかったです』
「とりあえず、帰りましょう」
車の助手席側のドアを開けたくれた。
『ありがとうございます』
幸政さん家に着いた。
『晴哉!?』
出迎えてくれた幸政さんが
僕の格好を見て驚いている(苦笑)
夕飯時、僕は初めて
朝来野 さんから
嫌がらせを
受けていることを話した。
『あり得ねぇ』
呆れた声色で
幸政さんが呟いた。
『俺の恋人に手を出したからには
それ相応のお返しをしなきゃなぁ?』
ファンには見せられないような
悪い表情 している。
『大丈夫ですから!!』
本当に何かしそうな幸政さんを
慌てて止めに入る。
『お仕事が一緒になっても
普通にしてくださいね』
釘を差してかないと
何かしそうだからね(苦笑)
『……お前がそう言うなら』
物凄く、納得してない表情 で
同意してくれた。
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