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第3話

(煜瑾…)  文維は困った顔をしたものの、カワイイ煜瑾をどうしたらよいか分からないまま、そっとベッドに寝かしつけた。  その寝顔を見詰めながら、文維はふと妙な感覚に襲われた。 (もし、私と煜瑾の間に子供が出来たとしたら…、こんな感じなのか?)  3歳の幼子(おさなご)の寝顔に、文維が愛する煜瑾の面差しがハッキリと見て取れる。 (こんなに小さくても、やっぱり…美しい子だ…)  文維は、まさに天使に見える小さな煜瑾を見守り、顔に掛かる髪を、そっとかき上げた。  くすぐったそうに天使が笑う。その清純さ、崇高さに、文維はいつまでも心を奪われて見つめていたのだが、やがて我に返った。 (一体、何が起きているんだ?人間の肉体が、一夜にしてここまで変化するなんて、科学的にありえないだろう?)  すやすやと眠る煜瑾をベッドに置いて、文維は起き上がり、気付いた。  昨夜も、オトナの体の煜瑾とたっぷりと甘く愛し合った。そのため文維は何も身に着けていない。それは煜瑾も同じだった。 (目覚めた煜瑾が、まだ子供のままだったら、何を着せれば?)  沈着冷静で理知的な文維が、とてつもない混乱に陥ろうとしていた。 (夢?これは私が見ている悪い夢なのか?だとしたら、煜瑾が幼児化しているというのは、私の潜在意識からくる…)  いろいろ考えていた文維だったが、考えれば考えるほど頭が冴えて来て、決して夢の中では無いことを痛感する。  頭を抱えながら、文維はまずはシャワーを浴びて落ち着こうと考えた。  もう一度、煜瑾がぐっすり眠っているのを確かめて、文維はバスルームに消えた。

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