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第4話

 煜瑾が目覚めると、ベッドサイドの時計はすでに8時を回っていた。 「ん…。…文維?」  ゆっくりと身を起こして、周囲を見回し、煜瑾は自分の身に起きたことを思い出した。 (どうして、私が子供の姿に?)  不安になって、煜瑾は自分を両腕で抱くようにした。それでも心細く、感情が溢れてくるような気がした。 (な、何?私…)  自分の感情がコントロールできず、煜瑾は涙が溢れてくるのを止められなかった。 (いやだ…、私…、一体…)  もう胸を締め付けるような感情を、煜瑾は止められない。 「あ~ん、あ~ん。ぶんい~、ぶんい~」  自分でもどうしようもなく、煜瑾は声を上げて泣き出した。  その声が、書斎で調べ物をしていた文維の耳にも届いたのか、慌てて寝室へと駆け付けた。 「どうしました、煜瑾!」  ベッドの上で、一糸まとうこともなく、ちょこんと座り込んで泣いていた煜瑾に、文維は一瞬動けなかった。それはまごうこと無い、羽根を失った天使の姿だった。 「文維~、助けてくだしゃい~」  悲しそうに泣きじゃくる煜瑾に、ハッとして、文維は駆け寄ってギュッと抱きすくめる。 「どうしました、煜瑾?」 「わ、分からないのでしゅ~。な、なんだか、子供のように、感情が…、抑制が効かないのでしゅ~」 (いや、どう見ても「子供」だから…)  内心、見た目をツッコミながら、文維は(いとけな)い煜瑾を慰めようと、優しく背中を撫でた。

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