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第4話
今日は自主練に潔は現れなかった。
寝る前にシャワールームで汗を流していたら、潔とカチ合った。
「凛は自主トレのあとのシャワーか?俺は居眠りでこんな時間になってさ。……遅くまでお前は本当に凄い奴だな」
「……」
初めて潔の身体を見たが、思ったよりも華奢だった。
そして俺よりも丸みを帯びているのに、何故か無駄な筋肉はなかった。
こんな華奢で俺の練習量(メニュー)はついてこれないだろう。
「やっぱり凛の体つきは凄いな。なんか腹立つくらい出来た身体してんのな」
潔の手が迷いなく俺の腕に触れようとした瞬間俺は潔の腕を掴みそのまま抱き寄せて噛みつくように口付けを交わした。
「……」
潔の唇は思っていたよりも柔らかく、俺は甘噛みしてから数秒後離した。
「くそっ……、一体なんなんだ」
「俺はお前が嫌いだ」
「……は?」
「俺を搔き乱すお前が嫌いだ」
驚き床に尻もちを付いた潔を置いて、俺はシャワールームを後にした。
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