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第24話
「凛はさ、やっぱり……子供っぽいのな」
乱れた潔を置いて風呂に入ろうと立ち上がった瞬間、足元にまとわりつく腕に掬われそうになり立ち止まった。
「何だと」
「ムカついたら八つ当たる。嫌がらせだと思ったけど、今回のことで少し分かった」
奴は立ち上がり、また俺を分かった気でいるような雰囲気で見上げてきた。
「俺に理解されるのが嫌なんだろ?だから凛は俺に八つ当たってるだけ。違うって言わせないからな」
俺のこの感情が八つ当たりなら、ただのダダだ。
子供と言われても仕方ないだろう。
「凛は俺が目障りで嫌い。でも俺は凛は嫌いじゃないし、これからもライバルだと思ってるから。ぶつかってこいよ」
「俺についてこれない奴はライバルでも何でもない」
「いいか凛、試合では俺がお前を喰ってやる」
そう言う潔の瞳は俺が写っていた。
「……」
「だからさ、八つ当たるなら俺以外にはするなよ?誘ってくれれば相手になるから」
俺よりも晴れた表情で潔は先にモニタリングルームから出ていった。
その姿に俺はまた苛立ちを感じていた。
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