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第23話:Bright and Early

 結局俺はその夜、三津屋アキラの家に泊まることとなった。  理由は単純すぎて涙が出るが、アキラ宅で三回目に至った際、俺が失神してしまったせいだ。 「マジでエロくてかわいかったよ」  翌朝、聖なる性獣アキラさんはそう言ったが、俺の邪推か夢かもしれないけど、寝顔を見られていたような感覚があった。  でも……。  どうなんだろう、俺はアキラの何になったんだろう?  セフレ兼バンドメンバー?  だけどそれはタクトに否定されたはずだ。  あと昨夜の『嬉しい』云々の発言も気になる……。  一回り大きいアキラのシャツを借りてアキラの手料理の朝食を食うことになって、ってこの一文だけで高一の俺が聞いたら涙による脱水症状で死ぬと思うけど、それはともかく、ベーコンエッグと分厚いトースト二枚、色味のいいブロッコリーとスライスされたトマト、サニーレタスがワンプレートに載った、『え、これなんですか? どこかのホテルのモーニングですか?』みたいな食事を出された俺は正直驚いていた。 「あ、なんか嫌いなもんあった?」 「え、え、そんなことは!! アキラ、料理めちゃ上手いんだね!! 正直意外!!」 「その程度で上手いと言われましても〜。まあ食えよ」 「は、ははぁ! いただかせていただきます!」  両手の手のひらをバチンと音が鳴るほど合わせて食べ始めたアキラは俺の前に座り、何やら俺ががっついてトーストに食いついてるのをしたり顔でガン見してくる。 「な、何?」 「いや、他人に自分の料理食ってもらうの久々でさ、おまえ美味そうに食うから嬉しくて」  出た、『嬉しくて』。  俺の邪推は、昨日の夜からずっと、快感で頭が半分以上飛んでる状態でも発展していっていた。  極々短絡的な推理。三津屋アキラは今まできちんと愛情を確認できる性行為をしたことがなかった、とか。あるいはあえてそれを理解できなかったけど、俺の反応っていうかストーカーぶりが防御壁を瓦解させた、とか、まあ、色々。

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