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午後の夢 三
だが、田舎出の若い娘が思わず叫びたくなるほどに、その写真に見る二人の美青年は並外れて魅力的なのだ。
その名のとおり勇ましい若武者と、気品あふれる貴公子の絵は、若い女なら誰しも一目見てうっとりするだろう。いや、女だけではない。
望もまた夢中になっていた。
ズボンの前をくつろげ、下穿きのなかへ手を入れる。
刺激をあたえると、望の分身は、形を変えてきた。
頭のなかで、勇叔父が苦笑いしている。仁が困ったように眉を寄せている。
身を焦がすほどの羞恥を振り切り、望は頭のなかで、まず仁の軍服の前をひろげた。
仁はびっくりした顔になり、茶褐色の瞳に怯えを見せる。
軍人になるぐらいだからひととおりの武芸は身につけているはずだが、仁にはどこか繊細で儚げなところがある。だから望はそんな夢を見てしまう。
望は妄想のなかで、仁の軍服を剥ぎとり、おさえこむ。現実には、そんなことが出来るわけはないのだが、この白昼夢の世界では、望が王であり神である。
(や、やめろ、望君、なにをするんだ?)
かすかに記憶にのこっている仁の低くかすれたような艶のある声が耳にひびく。
(僕の恥ずかしい姿を見た罰です)
容赦せず、上着をうばう。栄 えある中尉の襟章の星二つがゆがむ。
(や、やめてくれ……)
淡い茶色い瞳が潤む。髪も鳶色がかっており、仁には向こうの血がながれているのではないかという噂がある。もしかしたら、軍を辞める理由はそこにあるのかもしれない。
(あなたも恥を晒すべきだ。脱いでください! 全部脱いで! 下も脱ぐんです!)
(だ、駄目だ! や、やめてくれ!)
仁があまり暴れるので、釦 ははずしたものの、軍服の上着をすべて剥ぐことはできず、かわりに望は下肢に執着した。
四つん這いを強い、上着とおなじくカーキー色のズボンを強引に下ろすと、仁が絶望の声をはなつ。
(いけない! こんなこと……! 望君、自分が何をしているのか、わかっているのか?)
男とは思えぬほどに白い仁の肌があらわになり、望は否応なしに興奮した。
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