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第12話 十代最後の日になりました7
スカートの裾はリボンと同じ色で赤く縁取られている。
まだ制服を着慣れていない同級生の女子達が制服をぎこちなく身に着けている様はとても可愛かった。
彼女達がキラキラ光って眩しいほどに見えた。
気が付けば僕は女子の姿ばかりを追いかけていた。
僕があんまり女子の事ばかり見ていたものだから遠野が、「お前もやっと女の子に興味を持ち始めたのか」とニヤニヤしながら言ったものだ。
「そんなんじゃない」と言いながら顔を熱くした僕の頭の中にぼんやりとある考えが浮かんだ。
あの制服が欲しい。
あの制服を着てみたい、と。
考えた後で、自分の考えた事への気持ち悪さにゾッとした。
自分の事ながら何を考えてるんだと疑った。
でも、その考えはそれから僕の頭にこびりついて離れなくなった。
過去の記憶が流れて来るのをいったん止めて、僕は部屋のクローゼットを開く。
申し訳程度に備え付けられている狭いクローゼットの中には服が隙間なくギュウギュウに詰まっていた。
その中から一着の服を選んで手に取る。
それは僕が高校生の時に、欲しい、と強く思った高校の女子の制服だった。
制服を体に当ててみる。
「まだ着れるかな?」
そう呟いた後、もう自分はこの制服が似合う歳では無いんだな、と思い、ため息をついて制服をクローゼットの中に戻す。
クローゼットの中の服は七割が女の子の服であった。
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