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第22話 もうぼくじゃないとだめでしょう
ぐりゅッ、ぐりゅッ、ぐりゅッ……
「これが好きなんですね、先輩……? どうです、分かりましたか、ぼくがどんなに先輩とのセックスに、すべてをつぎ込んでいるか……」
びしゅっ!
「くあああッ……」
「ほら、先輩! また出ちゃいましたよ。たっぷり感じると、いく前に出るんですよね、先輩は……ほら!」
ぐり、とペニスでペニスの裏を突かれるたびに、ぷしゅッ、びゅッ、と沙羅衣の液体がしぶいた。
そして、枢流の右手のひらが、沙羅衣のペニスと腹の間に滑り込んだ。
「ああ、ぼくのが、先輩ので溺れてるッ……先輩が、こんなに出すから……!」
ぬるつく手は、沙羅衣の先端のくびれの部分に添えられ、強めに力を込めて上下にこすりだす。
「ぐううううッ!? はああああ……!」
「先輩、裏側は僕のペニス、表側は指ですよ……どうですか、両方でされるのは……」
四本の指が生む段差が、バラバラバラ……と沙羅衣の表の段差に高速で引っかかって、異常なまでの快感が生じた。
「どうですかと、聞いていますのに……! あなたの奴隷の奉仕は、お気に召しましたか……!」
「そ……ん、な……こと」
「先輩、あなたの奴隷は、こんなことができる奴隷なんですよ……!」
「あ……あ……も……う……」
沙羅衣の声から、切羽詰まった気配を感じ取った枢流は、最後とばかりに今まで以上に激しく動き出した。
「いくんですか!? 奴隷に、ペニスでペニスを犯されて、いくんですね、先輩……!」
「そ……んな……こんな……いきかた……」
「いいのです、いってください! さあ……! ぼくも、ぼくももういきますから!」
そう言われて、沙羅衣がほんのわずかに思考能力を取り戻した。
今まで翻弄され、快感に酔わされてきたのはほとんど一方的に沙羅衣のほうで、枢流の絶頂する姿など見たことがない。
この、美しく手練れな後輩が、自分とのセックスで達しようとしている。
そう思うと――
「ああ、先輩、すごい、また固くなった……びくんって……ぼくがいきそうになっているの、うれしいですかっ!?」
「そ、……れ、は」
「あっ、溢れてきた……先輩、いいですよ、そのまま……」
「く……る、るうゥッ……」
最後の声は悲鳴に近かった。
びゅッ!
びゅ、びゅうるッ!
「あああああッ……!」
ボディソープよりもはるかに粘度の高い、はるかに存在感のある液体が、二人の腹と胸にぶちまけられた。
そのあまりの熱さに、肌が焼けてしまうのではないかと思える。
自分では止めようのない痙攣が、ガクガクと沙羅衣を震わせた。
だが、枢流は、まだ止まろうとしなかった。
興奮の終焉を迎えようとしてた沙羅衣と、その体が、戸惑い始める。
「……く、枢流?」
「まだですよ……ぼくの裸を見ただけで勃起してしまう先輩の欲求不満、ぼくが全部……」
じゅしッ、じゅしッ、じゅしッ……
沙羅衣自身の出した液体を潤滑剤にして、枢流のペニスと指は、さらに沙羅衣の最大の弱点を責め続けた。
「うあああああっ! く、枢流、どうしてッ! どうしてえええッ」
「今言ったでしょう! 全部出させてあげます!」
「も、もっと優しく……優しくしてくれッ! お、おかしくなってしまううううっ!」
射精直後で極限まで敏感になっている沙羅衣の先端は、オーバーヒート寸前だった。
体のただ一部分を、それも苦痛ではなく快感で刺激されるだけで、全身がとりこになってしまっている今の自分が信じられなかった。
許容量をはるかに超えた快感を叩き込まれ、正気が失せかけた沙羅衣はしらず、枢流に抱き着く。
枢流も抱きしめ返した。
ただ、右手と腰は止めずに。
じゅちじゅちじゅちじゅちッ……!
容赦ない律動に、とうとう、枢流の快感も限界にきた。
餓えた獣のようなペニスが、いっそう強度を増し、放出を求めて激しく反り返る。
「ああああっ! いくっ! またいくっ、枢流-ッ」
「僕もです、皇先輩っ! ああ、いく、いくうッ!!」
びゅしゃッ!
二人分のの射精を、枢流は、薄い腹で受け止めた。
熱い。
二度、三度。
二本のそれは、互いに嚙みつかんばかりに律動する。
「あ……あ……」
四度目の放出を終えると、沙羅衣の、体も、声も、ペニスも、すべてが弛緩して力を失っていった。
枢流の背に回していた両腕が、ぱたりとマットの上に落ちる。
ぐんにゃりと横たわった沙羅衣の体を、枢流が覆いかぶさり抱きしめた。今度は、両手で。
「……よかったですか?」
沙羅衣は、とても返事ができる状態ではなかった。
「ぼくじゃないと、もうだめでしょう……? こんなセックス、ほかの誰にもできやしない……」
答えられないと分かっていて、枢流は聞いた。
二人の体で挟み込んだ精液は、まだ互いの間で、灼熱の熱さを保っていた。
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