2 / 29
僕がオメガ?
「ゆーうー!終わった??どう??結果は??」
「まだ。ちょっとあんまりくっつかないで。」
「なんだよ。俺がαだからってくっつくなって言ってんのか??」
「違う。拓也は拓也でしょ??それに、αだとしても、あいつらみたいな快感だけを求めて抵抗の出来ないΩを抱いているやつとは違う。」
「ふっ……なら、ちょっとぐらい抱きしめさせろー!」
「うわっ、ちょっと……!!離れろ!」
こんな風に僕を抱きしめてくる男は、この世に1人しか居ない。
中森拓也。
こいつは幼なじみで、まぁ、最初はαって聞いて関わりたくないって思ったけど、幼稚園の頃から何度も何度もよってこられるうちに心を許すようになった。
幼稚園の頃は悠ちゃん!悠ちゃん!って寄ってきて可愛かった……のに。
今は……
「ゆーうー!たっくん疲れちゃったよォ……」
こんな風に僕を見かけたら何度も何度も抱きしめてきて……はぁ……嫌になる。
「誰がたっくんだよ……!」
そう言って僕は、拓也の頭を殴る。
「いってぇ。昔はたっくん!って言ってくれたのに……」
まだ、昔のことを……
「はぁ……」
「なぁ、お前何回検査するん……」
「何回?」
僕と、拓也は、公園のベンチに移動して、話をする。
「だって、中学の頃から検査しては、無効無効って飽きねぇの?」
「飽きるも何も……学校に検査結果提出しないといけないし……」
「……まぁ、そうだけどな……こんなに無効になる人ってお前以外いねーんじゃね?俺だって高一の時に1回でαって判明されたぞ??」
そうなんだよな……みんな、αとかβとか判明されている中僕だけ……無効……
「で、今回は??」
「だから、、まだ……って……あっ、来てた……」
「んだよ……!」
僕は急いで届いたメールを確認する。
「はぁ……怖い……拓也!確認して!」
僕はそう言って拓也に携帯を託す。
「え!?んだよ……もうどうせまた……むこ…………」
「え?なに??」
急に喋るの辞めるなよ……
「……」
「なに?早く言って。」
そんなに黙られると余計緊張す……
「Ω……だ。」
「え……」
え?どういう……
「ほら、見ろ。」
そう言って拓也は、僕に画面を見せる。
「う……そでしょ……」
すると、画面にはしっかりと、「検査の結果、あなたはΩと判明されました」と書かれている。
「どーしよ……僕……」
「大丈夫。俺がいるから。」
そう言って拓也は、僕を抱きしめる。
「で……でも、大嫌いなαに…………」
「っ…………俺のとこ来る??」
「え??」
「だから、、、、、、俺のとこ来るか??」
え??拓也……と、するってこと??
「なんだよー!!」
「なんだってお前が行くって……」
なんだ……そういう事か……
拓也のとこじゃなくて、拓也がしてるΩ専用デリヘルの店かよー!!!
「外装綺麗だろ??」
「っ!!!」
「綺麗すぎて声出ねぇ??」
「……違うし!!僕は、こうやって何人ともやりたいんじゃないの!!」
「は??んじゃ、なんだよ??」
は??みんなそうなのか……?だれこれ構わずやるものなのか??
「ゆーう??」
っ……僕は違う!!こいつらとは……ちがって……
「僕は……1人としかしたくない。」
「は?」
「僕は好きな人としたいの!」
「ええー。」
ええー。じゃないだろ??普通だろ……
「んじゃ、まぁ、それは不可能だ。それに、悠……ちょっとフェロモンでてる……俺今日シフトなかったから薬飲んでないから分かる。」
「え??」
フェロモン……??そんな匂い……
「自分じゃ気づかない……?」
「うん。」
「気づくわけないよ……」
「まぁ、こうやって慣れてるやつにやられるか、道端であの子みたいになるか……」
あの子……僕がαを嫌いになった原因の子……
「どうする?悠……」
はぁ、、、気が済まないけど……
こっちを選ぶしかないんだな……
「……ここにしとく」
「おっ、そうと決まったら……」
「てんちょー!!!俺の友人!」
「おおお…お前!何も店長を呼ばなくても……」
「いいの!」
はぁ、好き勝手だな……
少したつと、扉から……店長と言われる人が出てくる……
金髪で、清楚な服を来ている。
「君がリュウの友達?」
「リュウ?」
「あー、俺の現氏名ね!」
リュウ……か。
「……はい。桐島悠って言います……」
「悠くんね。希望する人とかいる??なんか、優しい人ーとか、強そうーとか。今日はってかここの店でする事も可能だか、するといいよ。デリヘルだけど……」
「ありがとう……ございます。」
「お礼なんていいよ。リュウの友人でしょ?リュウとすれば?」
「いや!!大丈夫です!!」
拓也とするなんて……
さっきは、弱ってたから拓也がいいっても思ったけど!
今考えると……恥ずかしい……
「そっか。なら、さっきの質問に戻るけどどんな子がいい?」
どんな子……か。
「慣れてる人……」
「え?」
「毎回同じ人指名がいいんで……慣れてる人がいいって言うか……なんて言うか……」
「わかった。リュウ、ルカ呼んできて!」
「え?ルカって……!!!!!」
「いいから。」
「分かりました。」
そう言って、拓也は、この場を離れルカさんを呼びに行った。
「悠くん、これからここを使うにあたって、このカードと、首輪を毎回付けることが必須になる。発情期なら尚更つけてね。」
「首輪?どうして!?」
「うなじを守らないと……番にされるよ?」
あー、そういう事か……。
「分かりました。」
「おっけー。守れるなら、ここの会員になっていいよ!デリヘルだから、いつでも家に呼んで。」
「あっはい!!」
「あと、特別に。相談があったりしたら、ここ来ていいから。リュウの友達……限定ね!」
「はい!」
優しい……この店長は、いい人だ……
「はーい。てんちょー」
「おっきたか。」
拓也が連れてきた、ルカって言う男性は、金髪で黒い服をまとった少し怖そうな人だった。
「店長……この人……」
「ああ。大丈夫。テクは、間違いないから!!」
いや、そういう事じゃなくて……
「マグロ……」
「え??」
「匂いがマグロ……」
「は?マグロ……?」
「あっ、ルカ!!ダメだよ。お客さんにそんなこと言ったら!!」
え?何マグロって……
どういうこと……??
「処女だろお前……」
「え??」
処女……??って、未経験ってこと??
いや、客に向かって!
「失礼だろ!」
「実際そうっしょ。リューウ?」
「ああ。そうだな。悠は処女で童貞だ。」
え?おい!!言わんくて良いんだよ!!
「なんでこんなマグロを特別扱いしてんだよ……」
「リュウの友達だからな。まぁ、任せたよ。ルカ」
「っちぇ。」
はぁああ???なんなんだよ!!
こいつ……!!
「ほら、着いてこい。マグロ……」
っ……腹立つー!!!
「うそ……でしょ……」
「嘘じゃねぇよ。脱がされたいのか?マグロ」
「だからマグロじゃねぇって!!」
「処女童貞どう見ても立派なマグロだろ」
「うっせ。」
失礼なんだよ!こいつ!
「だーかーらー、早く脱げよ。お前とやるのに最初はお金取らなくて時間無制限とかふざけんなよ……」
「こっちだって……」
「あ?」
「なんでもないです!!」
「弱っ……お前いじめられてただろ?」
「……」
「図星??まぁ、俺でもいじめるわ。」
「……っ!!」
ほんと失礼なやつ!!なんでこんなやつに……!
「……」
そんな黙ってこっち見ないでも脱ぎますって……
僕は少し乱暴に服を、脱ぎ捨てて、手で顔をおおった。
「……これでいい?」
「……っ……顔隠すなよ。」
「……だって……初めて……だし……」
「っ………手……取るぞ?」
「……ん。」
こんな初めて……絶対嫌なのに。
こんなやつとなんて嫌なのに……。
こいつの吐息……こいつの腕の中……全てに安心する。
「入れるぞ……?」
「え?」
「十分ほぐれてるし、それにアンアン言ってグズグズになってたから痛くねぇよ。」
アンアンって……!!こいつ……デリカシー!
「入れるぞ……」
「んっ……あっ……」
奥まで入ってくる……でも、包み込まれるような……心地いい感じだ。
「おいっ、締めんな!!」
「むっ……むり……」
自然と閉まってしまう……
「(やべぇ。持ってかれる)おい……」
「んあっ……んんん」
「はぁ……体勢変える。」
そう言ってルカは、体制を変えて僕を横向きにした。
「だっ……だめ!そこ……なんか……」
「ん〜ここ??」
「ル、ルカ……!!もっと!そこ……」
「いいよ。突いてやるよ。」
「んあっ……」(気持ちいい)
そこからはなんか覚えていなくて……
朝起きたらルカが横で眠っていた。
「うわああああ」
「あ?んだよ……ねみぃ……」
「なんで……ルカ……が……」
「お前が落ちたんだよ……。クソが……」
口悪っ!!
「別にルカまで寝なくても……」
「だりぃ。」
「え?」
「ルカじゃなくて、篠山樹(ささやまいつき)。覚えとけマグロ!!」
樹……か。んじゃなくて!!
「僕も、マグロじゃなくて、桐島悠だから!」
「悠……言いにくいな……マグロでいいだろ!」
良くない……なんでマグロ……
「……もうマグロじゃない……し?」
「……え?……あー、それもそうか……」
樹が奪ったんだけど……
「なら、悠〜?これからもよろしく……な?」
「うん……」
なんか……怖い……目が笑ってなかったぞ……目が……
「って感じなんだけど、なんでルカは、本名を言ったと思う?」
「へぇ〜樹って言うんだー」
「そこじゃない!てか、知らなかったの?」
「ああ。」
てっきり知ってると思ってた……
「あれじゃね?お前のこと気に入ったとか?」
「え?マグロって言ってきたよ?」
「あいつ感情表現下手だからな。許してやれ。」
まじかよー。下手すぎんだろ……
「電話番号交換したの、?」
「うん……」
「……やけるな……」
「え?なに?」
「なんでもない。」
拓也ボソボソ言うから聞こえない……
「まぁ、今日はあんまり寝れていないだろうから、帰るぞ。次はデリヘルだから、家呼べばいい。まぁ、俺の権限で、店でもOKになったけど、だるいだろ?足運ぶの」
「いや……別に……」
お母さんと二人暮らし……だし……デリヘルなんて呼べない
「なら、好きな方にすればいい。じゃーな。」
「うん。バイバイ!」
拓也……かっこよかったな……
拓也も知らない人抱いている……んだ……
なんか嫌だな……考えたくないのに考えてしまうよ。
「……あれ??ゆーちゃん!帰ってたの?」
「あっ、お母さん!昨日は……!」
「もー心配したのよ!」
「ごめんなさ……」
「拓也くん家泊まるなら事前に言いなさい……もぉ……」
「え?拓也ん家?」
「はぁ……自分からは何も言わないんだから……もう!」
拓也が親に伝えといてくれたのか……拓也が……
「……拓也……すき……だ。」
簡単に言えることじゃない。
言ってしまったらもう友達には戻れないかもしれない。
引かれるかもしれない……。
でも、拓也以外としたくない……
ルカ……とも……
だけど、拓也は多分僕が誰に抱かれようともどうでもいいんだろう……
だから、、僕は……
この恋を隠そうと思う。
誰にも知られてはいけない。
拓也……にも、誰にも。
「もしもし……拓也?」
「おう!ゆう!どうしたー?電話なんて久しぶりじゃん!」
「お母さんのことありがとう!でも、言ってくれてもいいじゃんー。びっくりした。」
「あー、わりーわりー。(笑)」
だから僕は普通のように接するんだ。
「もー。」
それは普通の友達のように……
ともだちにシェアしよう!