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悠side どうすればいいのか教えて...?

悠side きっ...聞こえてしまった。 【好きになってごめん】 あれは...一体...? 「おはよ。」 「うへ?へ?おは...おは...おはよ!!!」 「うっせぇなぁ。なんでそうテンパってんの。」 いや、え?もう朝...しかも、僕のことを本当に樹が!?いや、聞き間違えかもだし... 「ご飯出来てんだけど。食わねぇの?」 「あっ、食べます食べます!」 やばい。普通のようにしないと... 僕は慌てて目の前にある食材にがっつく。 「え!?うまっ」 サクサクの衣のハンバーグ、それにトロトロの卵焼き...頬が落ちそうだ。 「そ。よかった。」 樹にこんな才能があったとは... 「すごいね!こんなに作れるなんて...」 「そりゃ、高校からずっと1人ぐらしだったから。」 へ!?あっ...そうなんだ! 1人ぐらしって大変なんだろうな...、家事、家賃... だから、バイト?いや、普通に前から金持ちっぽいし... でも、親金持ち?なんて無神経なこと聞けないし... 「何聞きたいことあるなら聞けば?」 「え?」 「俺ら学年違うし、こうやって2人きりで長いこと話せる時ってあんま無いし」 た、確かに... 「じゃあ、無神経かもだけど...ご両親は?」 「亡くなった。」 「あ...ごめん。」 「いや、別に。気にしてないし。」 「そっか。」 やっぱ、無神経じゃんか...僕ー!! やっぱそうだよな... 「じゃあ、俺からも質問。」 「ん?なに?」 「拓也のこと好き?」 え...?拓也... 「いや、やっぱいいわ。」 どうして...拓也??好き...なのかな...好きだよね? でも...こんなに心が揺らぐのは...多分... 「今は好き...か分かんない。」 「そ。」 そういうことなんだろうな。 なんか、樹としてるせいか、1人でする時も樹のことが真っ先に思い浮かぶ。樹の目線、手つき全てに発情してしまう。  早かった。 「じゃーな。発情期来たらまた来いよ。」 「うん。」 樹といると楽しくて、時間が過ぎるのが早く感じる。 こんな関係ダメなのに... 迷惑だし直ぐに辞めないといけないのに... 樹の優しさに甘えてしまう。 ごめんね。樹。 僕は、嫌なやつだ。向こうは、お金もとらずに、やってくれる。バイトも店長に言われたあの晩キッパリとやめてしまったらしい。 僕だけに付き合ってくれている。僕だけに... 僕が運命の相手だったから。僕と出会わなければバイト続けられたのに。 その晩、僕は沢山考えた。沢山考えて頭がいっぱいになって気づいたら朝だった。 「よっ、悠!」 「拓也...」 「樹のテクどうだった?樹夜のデリも辞めてお前だけに絞ってるから精度落ちてる?」 「いや...そんなことは...」 申し訳ないけど、今拓也と話したくなかった。 本の数時間前まで考えまくっていた相手に、今会うなんて...はぁ... 「あっ、噂をすれば!!樹!」 「え...?」 「おはよ。悠。」 嘘でしょ... 拓也の声に驚き振り返ると、眠い目を擦りながら歩いている樹がいた。 「お...はよ。」 気まずい相手が2人に... 「ふっ、お互い昨日は長かったからな。よく眠れてねぇだろ?笑笑」 かぁ...長いって...拓也の前で... 「おっ、楽しそうでなにより。じゃあ、俺は先いくなー。」 「あっ...」 なんで今樹と2人きりにするんだよ... 「俺と2人気まずい?」 はい。気まずいですよ... 「ごめんな。2人の邪魔して。」 「え?」 「気を利かせれなくてごめん」 いや、気まずいとは思ったけど、別に邪魔とかは... 「じゃあ、俺も行くな。」 え...樹行っちゃうの? 「ちょっと待って...」 僕は必死に樹の右腕を掴む。 「なに?一緒にいたい?」 「...っ...学校まで...ダメ?」 「グッ...別にダメじゃねぇよ。」 良かった。  やばい。積もる話がない... 「い...樹...きょ...今日何限あるの?」 「え?一緒じゃねぇの?俺は6限。」 「あー、6限か!学年違っても一緒なんだねーあはは」 本当にやばい。 話が... 「悠。大丈夫だったか?」 「え?何が?」 「昨日の...」 「あーお陰様で。あの後はなんもなかったよ。」 「そっか。」 まぁ、実際、樹のあの顔に家で発情したけど... まぁ、それは秘密だ。 「実際のところは?」 「え?」 「俺の顔で抜いたりしなかった?」 かぁ.....///バレてる... 「し...してないお」 「ふーん、したんだ。いいじゃん。俺もしたし。」 「え?」 そっか。樹も... 「ほら、これ見ろよ。」 樹は僕の前に携帯を差し出す。 画面に表示された、写真を見るとそれは...発情した僕の姿だった。 「え?え????やめてよ!消して!!」 「んー?やだ。」 「樹お願い!!それは本当にだめ!!」 「むーり。しかも、気づかない方が悪いんじゃね?」 「え?いや、樹が悪い!!!」 まぁ、それもあるかもだけど!!撮る方も悪い!! 「いいじゃん。可愛いし、俺これで3回は抜いたよ。」 「3回!?!?」 「うん。これからもっと抜くつもりだけど。」 まじかー!しかし、こんな話学校の前でしていいものなのか。僕は気になって周りを見た。 見ると、やっぱそうだよなーー!!案の定避けられていた。 「え?なんの話?くすくす」とか、色んな声が聞こえる。 「いつきいいい」 「ああ。気にすんな!」 気にすんなじゃないだろう...   「おい。悠...拗ねんなって...」 「だってあんな公共のところで...僕がそのオメガってのもバレたかもしれないじゃん...」 「バレてたとして悠に誰か近づいてきたらぶっ殺すから大丈夫。」 え?なんか、ピー音つけないといけないような言葉出てきたけど大丈夫? ぶっ(ピー)すとか。 「あ?なんだ?」 「なら……もし、その時がきたら責任取ってまっ、守ってよね??」 「あっ……ああ。任せとけ……」 なんだろ。なんか目を合わせられない。僕すごいこと言ってしまった気がする。 「……今日……また昼行く。」 「うん。屋上で待ってるね。」 「おう。」 そう言って少しギクシャクした僕達は別れた。 同じ学年でクラス一緒だったらもっと仲良くできたのかな??    

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