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約束
あの日。
初日の出を二人でここに見に来た日。
自分の中にある不安を言葉にする睦月に、俺は、確かに誓った。
“――もしも仮にお前が死んだとしたなら、俺も睦月のあとを追って死ぬし、睦月がどうしても辛くて死にたいって言うなら、俺も一緒に死んでやる。”
そう言ったあのときの覚悟は今も、この胸に残っている。
だからこそ、思うんだ。
睦月に、会いに行かなければ。
雅が知ったらめちゃくちゃ怒るだろうな。
殴られるかもしれない。
そのときには、拳一発で済めばいいな、なんて、いつもと変わらない日常的なことを考えてしまう。
会うことなんてもう二度とないのに。
逆に両親は悲しむだろうな。
親より先にこの世界からいなくなるなんて、なんて親不孝な息子なんだろうと、自分でも呆れる。
たくさん世話もしてもらって、あんなにも俺と睦月のことを応援してくれていた。
そんな人達をおいて、先に逝ってしまうことが、少しだけ申し訳なかった。
それでも――
それでも、俺は死ななければならない。
“ユキのこと、まっ、てる……から……”
また会うって、約束したから。
君がいる世界が俺のいる世界だから。
何とかフェンスをよじ登って手すり壁 の上に降り立つ。
フェンス越しから見えていた街は、その邪魔な障害物がなくなり、更にキラキラと輝いて見えた。
ずっと一緒に過ごしてきた街。
睦月と共に生きてきた場所。
辛いこともたくさんあった。
もう無理だと、諦めたくなるときもあった。
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