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第4話

「……写真なんて、捨ててくださいっ」 「叶」 杉原先輩は心配そうな声で20cm近くある身長差を屈んで私の俯いた顔を覗き込まれそうになるのを私は後退り阻止しました。弱味なんて見せたくありません。 「……坊主?どうかしたか」 私の体がカタカタと情けなく震えます。……嫌です、どうしても怖いんです……。 「ごめんね、叶、俺の不注意。おっちゃん写真は封印してくんない?」 杉原先輩の不注意何かじゃありません、私が弱いだけなんです。 「……おっちゃん、何か悪いことしたかい?」 『ごめんなぁ』と、謝るおじさんに、私は何も返事が出来ないでいました。 (……ぃやです、やです。……これでは今度こそ、ふりだしです) 私が杉原先輩が『好き』だと気持ちに気が付いても、弱いままじゃいけないのに……。いつ愛想をつかれてしまいます。 「……ごめんなぁ、おっちゃん今日もう娘が帰ってきちゃうんだよ。悪いが帰るよ、いいかい?」 本当に申し訳なさそうに言うおじさんを引き止める権利なんてありません。 「……だいじょうぶ、です」 きっと私は大丈夫なんかに見えない、ですよね。杉原先輩は私の身体をを支えてくれましたが、怖くて膝が震えてしまい、上手く立っていられる状況ではありませんでした。 (今日は曇りなのに、何故上手くいかないんですか……?) 「かなえちゃん、……すまないなぁ」 おじさんの石焼き芋屋さんの軽トラックが、すまなそうに去っていきました。

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