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退室:検査結果(完結)
「ん……? あれ?」
セイジュが意識を取り戻すと、そこは他でもない、いつもの個室だった。
「起きたか。ベッドに移そうかと迷っていたところだが——」
「クロイゼン!!」
セイジュは飛び上がってソファのクロイゼンに抱きついた。
「お、おい、どうした」
「わ、分かんない! 今いつ? ここホントに現実? あれ夢?!」
「なんだ、恐い夢でも見たとでも言うのか。おまえは本当に——」
クロイゼンの唇は、セイジュがぐっとふさいでいた。挿入された舌を、クロイゼンは拒まない。
「あ、良かった、これ本物のクロイゼンだ」
「さっきから一体何を言っているんだ?」
「ん……」
セイジュは俯いて涙をぽとぽととこぼした。
「セイジュ?」
「クロイゼン——」
涙を拭きもせず、セイジュはクロイゼンに深く口づけ、自ら舌を奥に差し込んだ。いつもの味、愛おしいクロイゼンの味、と思うと安堵すると同時に劣情に火が付いた。無意識に左手がクロイゼンの股に向かって動いており、クロイゼンは若干の驚きを見せたものの、その手に自分の手のひらを重ねた。
「あぁ、はぁ、クロイゼン……」
「発情期か、いや、おまえは万年淫乱だが、今日はいつにもまして貪欲だな。いいだろう、俺もおまえが欲しい」
「う、うん……あの、えっと……」
「なんだ?」
「あの、あっ!」
クロイゼンが胸の突起を吸う。
「言ってみろ。さもなくばここでやめる」
「やめさせ、ない。お願い、今日は、俺を壊して」
クロイゼンが眉間にしわを寄せる。
「壊す?」
「あ、あの、それくらい、その、えと」
「激しく、という意味か?」
「う、うん……」
クロイゼンはにやりと笑い、
「後悔するなよ?」
と言ってセイジュの性器を握った。
「あ、ああ、クロイゼンの手、あああ、全部、全部クロイゼンだっ……」
「よく分からないが、俺を確認したいのか? じゃあここだろうか」
「うわぁああ!!」
クロイゼンの細長い指が、秘部から侵入し、例の箇所をごりごりと刺激した。セイジュの性器からカウパーが漏れ、クロイゼンがそれを舐める。
「クロイ、ゼン……お願い……、もう、来て……」
「いいのか? まだ中がさほど——」
「いいからお願い! 早くクロイゼンの全部ちょうだい!!」
自らフラフィのベッドに仰向けに寝転んだセイジュは、股を軽く開き、顔を真っ赤にしている。唇からは唾液が垂れ、秘部はひくひくとうごめいていた。
「この淫乱……!!」
クロイゼンは容赦なく自らでセイジュを奥まで突いた。
「ああああ!!」
セイジュが歓喜の声を響かせる。
「クロイゼン! 奥来て! いつもみたいに、奥! 奥突いて!!」
「クッ、キツすぎる……!!」
「あ、あ、来たぁ! やっと、やっと奥までぇ……!! もっと! クロイゼン、奥して! もっと奥突きまくってぇ——!!!」
◆
——検査結果
どこまでも純粋に、貪欲に快楽を欲するが、1125番が執拗に『奥』、『奥に来て』と繰り返していたのは、物理的な意味ではなく、伴侶であるクロイゼン王子から与えられる何らかの心理的な愛情、安心感、一体感であると推測される。
よって、1125番は最終的に肉欲で他のクリーチャーに全てをなげうつことはないと確定する。以上。
【THE END】
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