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エピローグ

 王宮の薄暗い一角で、数名の女性クリーチャーが集まっていた。 「はぁ〜、やっぱり壁女先生の作品は最高ね!」 「前回の学パロも良かったけど、壁女先生の本領は性描写よ!!」 「セイジュさまが快楽堕ちっていう流れでどうなることかと手に汗握ったけど、ああもう、言葉にならないわ!」 「クロイゼン王子も美しくてアヴィリードさんとも良かったけど、やはり正妻セイジュさまが最も尊い……!!」  盛り上がる女性陣の後ろに、長身の男性がすっと現れた。 「どうしたんです、ご婦人方」 「ミ、ミレヌ執事長!!」  執事長と呼ばれたのは初老で長身の、しかし鋭い目をした男だった。 「い、いえ、私たちはその、こ、交換日記を——」 「そ、その通りでございます! 女子トークの回し読みを……」 「王宮内で『薄い本』なるものが流行っているのは私も存じていますが、くれぐれも業務に支障にないよう、お願いいたしますよ」  それだけ言うと、ミレヌ執事長は踵を返して去って行った。 …………。 「ミ、ミレヌ執事長って、イケオジよね……」 「そうね……。しかもあんな過去を持つ男よ……」 「反逆者シクロフスキなき後、近衛兵に戻るっていう噂もあるけど……」 「セ、セイジュさまと絡むのかしら……」 …………。 「壁女先生にリク送っちゃいましょうか……」 【結論】 どれだけ種族が混ざっていようが、そこに男が二人いる限り、そこには同時に腐女子も存在する。             

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