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第85話★

シャワーヘッドから熱い湯が滴る。秀一は胸の高鳴りを抑えながら全身を濡らしている。 夏休み前まではこんなことになるなんて思わなかった。 学校で性的な悪戯をされた時は恐怖と嫌悪感しかなかったのに。 好きな人と肌を合わせる喜びに浸る。 早く、奨が欲しい。 『シュウ、入るぞ』 浴室の外から奨の声がしたかと思うと、扉が開いた。 「え?!」 驚いて秀一は両手で身を隠した。今更ではあるが、入浴を邪魔されたのは初めてだったから。 奨は一糸纏わぬ姿である。 「ま、まだ僕石鹸で身体を洗ってなーーんぅ」 言葉が途切れたのは、浴室に入って来た奨に手首を捕まれ、そのまま唇で唇を塞がれたからだ。 降り注ぐ湯が二人の裸体を濡らす。 柔らかで深い合わさり。蕩けるような口付けはスイーツのように甘い。どんなケーキやチョコも敵わない極上の味を秀一は堪能する。 唇が離れると、秀一は熱い息を吐いた。 「駄目、こんなキスされたら……僕、立ってられなくなる…」 所謂腰砕けになり、秀一はへなへなと奨に寄りかかる。そのまま浴室の床に膝をついた。 「あッ」 シャワーはまだ勢いよく湯を放出し続けている。頭からびしょ濡れになりながら秀一が見たのは奨の、雄の象徴であった。 ーーざらざらした舌で、猫のように。 話していた内容が甦る。 この雄々しくそそり勃つものを口に入れたら、どんな感じなんだろう。 試着室にて触手を捩じ込まれた時は苦しかったがドキドキした。 逞しく上を向く奨の中心に、秀一は手をそろそろと伸ばす。 『……いい子だ』 こうなることを狙っていたのかもしれない。奨は秀一の前にしっかりと床を踏み締めて立つ。蛇口を閉めて湯を止めると、座り込んでいる秀一の頭に手を添えた。 『まず舌で周りを舐めてくれ』 「う、うん」 初めての経験に緊張を覚える。彼の股関で存在を主張する剛茎にそっと触れる。 硬い弾力を持つ熱い人肌。秀一自身のモノよりずっと大きくて迫力がある。 ……歯を立てないようにしなくちゃ。 小鳥がついばむようにな優しいキスからスタート。 濡れた唇を竿の根元に押し当てる。 言われたように、いきなり口には咥えない。ゆっくりと亀頭、カリ首、裏筋の敏感なところを舐めて、じっくり刺激を加えていく。 「んふッ…」 チュッチュッとキスしては、舌を当てて優しく舐める。 特に亀頭は敏感であるから、丁寧に静かに舌を押し当てた。 『ああ……』 秀一はちら、と上目遣いに奨を見上げる。彼の逞しい体つきが視界に入り、その表情が見て取れた。 満足そうに目を細め、秀一を見下ろしている。 「気持ちいい?」 『いいぞ、とても。もう少し大胆に舐めてくれていい。今度は舌を尖らせて見ろ』 「はぁい、先生」 エッチの先生?!しかし秀一は真剣である。しっかり覚えて彼を感じさせたい。 奨がいつもしてくれる舌使いを思い出して真似をすることにした。

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